多くの企業で人事評価制度が導入されていますが、制度がうまく機能していない、成果が上がらない企業も少なくないようです。

なかには、人事評価制度によって従業員が不満を感じ、モチベーション低下による業績悪化や離職につながっているケースもあります。

人事評価制度が、うまく機能しているかについては定期的に確認して、成果が上がっていない場合には、評価項目や基準を再設定することが必要です。

この記事では、人事評価制度を見直しする際の5つのステップについて紹介します。

見直しだけでなく新たに導入する際にも参考にしてください。

人事評価制度とは?

人事評価制度とは、従業員個々の能力や成果、企業への貢献度などを評価して、賃金や昇格、昇進などの処遇に反映させる仕組みのことを指します。

企業が人事評価制度を導入する目的としては、次の4つがあげられます。

  • 経営方針やビジョンを従業員に浸透させる
  • 従業員の処遇を決める根拠にする
  • 課題を明確化して計画的に人材育成・人材開発を行う
  • 従業員個々の能力や適性を見極めて人員配置に活用する

一般的には、「給与や賞与を決めるため」や「昇進や昇格の判断基準とするため」といった処遇が目的と理解されがちですが、処遇は目的達成のための手段であり、人事評価制度の一番の目的は、自社に必要な人材像を明確にして、従業員を計画的かつ効率的に育成することにあります。

会社の成長や環境の変化に合わせて再設定する

人事評価制度には、「モチベーションアップにより生産性が向上する」「企業と従業員との間の信頼関係向上」といったメリットがあり、うまく活用できれば企業の成長につながります。

しかし、評価基準が誤っていたり、うまく機能しない場合には、従業員のモチベーションが低下したり、処遇に対する不満による離職などリスクやトラブルとなる可能性があります。

人事評価制度の指針は、企業の成長や経営状況、業績などの環境によって常に変化します。

そのため、人事評価制度の目的と効果を定期的に確認して、評価する項目など基準を見直すことが重要です。

人事評価制度の見直しする際の5ステップ

人事評価制度を導入していても、うまく機能していない場合には、制度の見直しをする必要があります。

うまく機能しない理由の多くは、自社の実情に合っていないケースです。

人事評価制度を新たに導入する場合や見直しを行う際のポイントについて、次の5つのステップでチェックしてみましょう。

理念・ビジョン・価値観を明確にする

人事評価制度の評価項目や基準は、企業によって異なりますが、まず最初に必要なことは、自社の経営理念やビジョン、大切にしている価値観を明確にすることです。

この理念とビジョン、価値観が人事評価制度を設計する際の軸となります。

求める人物像を設計する

人事評価制度の評価項目は、企業が従業員に対して、何を期待しているのかを明確化することでもあります。

設定された人事評価制度に対して、従業員が納得している場合にはモチベーションアップや企業対する信頼感向上につながります。

一方で、納得できない場合には従業員の不満の原因となります。

そのため「社員にどのような人材を目指して欲しいのか」や「どのような人材が評価されるのか」を明確にする必要があります。

組織・人事におけるありたい姿などから作成

求める人物像を設計するには、組織や人事におけるありたい姿も考える必要があります。

企業が従業員に対して何を期待するかは、部署や職種、雇用形態などによって異なります。

求める人材像が、現場の実情とかけ離れていないことも大切です。

人事ポリシーを定義する

人事ポリシーは、求める人材像や従業員が持つべき価値観、採用の基準、評価の基準、教育についてなど、企業の従業員に対する基本的な考え方を示したものです。

人事ポリシーは、人事制度の整備の指針となるものです。人事評価制度の設計、見直しを行う際には、自社の人事ポリシーについて確認してみましょう。

人事制度を設計する

人事評価制度は、等級制度や報酬制度と合わせて「人事制度」の重要な柱です。

人事評価制度を新たに導入したり、見直しを行う場合には、等級制度や報酬制度も合わせて、一貫した考え方で検討する必要があります。

また人事評価制度は、評価者の資質によって評価に差が出ることがあります。

できるだけ公平な評価を行うには、評価者に対して研修を実施するなどの仕組みも、検討する必要があります。

人事制度は定期的に見直す

最近では、働き方改革や新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、テレワークを導入する企業が増えています。

働き方の変化によって、人事制度も見直すことが必要にあるケースもあります。

また、企業の成長や企業を取ります経営環境の変化によって、経営方針やビジョン、価値観も変わる可能性があります。

人事評価制度を含めて人事制度全体について定期的に見直しましょう。

まとめ

人事評価制度を含めた人事制度は、社会環境や自社を取り巻く経営環境の変化に合わせて、定期的に見直すことが必要です。

特に人事評価制度は、公平性や透明性が高く、すべての従業員にとって納得できるものでなければなりません。

生活や働き方の変化で、従業員が企業に期待するものも変わっていくので、従業員のモチベーションを向上させ、企業が成長するためには、人事制度を定期的に見直すことが重要となります。