男女の賃金差で不公平を感じたことある? 「ある」62.0%
2022/08/08
仕事と家庭の両立を希望する主婦・主夫層の実情や本音を探る調査機関『しゅふJOB総研』(運営会社:株式会社ビースタイル ホールディングス )は『男女の賃金格差』をテーマに、主婦層を中心とする就労志向の女性にアンケート調査を行いました。
「男性の方が賃金が高く、女性は低い」81.3%
同じ仕事をしているのに、女性と男性との間で賃金差があり、不公平だと感じたことがあるか尋ねたところ、62.0%が「ある」と答えています。また「ある」と回答した人に、どのような不公平感を感じるか聞くと、81.3%が「男性の方が賃金が高く、女性は低い」と答え「女性の方が高い」は0%となっています。
不公平だと感じた人からは「賃金差だけでなく、研修やチャンスも差がある」「女性というくくりで、役職につけないのは問題」「成果も見てほしい」などの声が挙がっています。また「同じ仕事をしているのに賃金に差がつくとしたら、どういう理由であれば納得感がありますか」との質問に対しては、「仕事への責任の重さで差がつく時」が最も多く61.2%、「深夜など働く時間帯の違いで差がつく時」「成果や生産性の高さで差がつく時」「資格の有無で差がつく時」と回答した人も過半数に及びました。
同一労働同一賃金に関する改正法施行での変化は「何も変わっていない」が半数
2020年4月1日より同一労働同一賃金の改正法が施行されています。(中小企業では1年遅れの2021年4月より)
同一労働同一賃金とは、同じ仕事に就いている限り、正社員であるか、非正規雇用労働者であるかを問わず、同一の賃金を支給するという考え方をいいます。
企業側は、働く正社員と非正規雇用労働者の間で不合理な待遇差が生まれていないかを常に検証する必要があります。
厚生労働省の同一労働同一賃金ガイドラインでは、企業側が対応しなければならない4つのポイントについて詳しく書かれています。
・基本給・昇給の不合理な待遇差をなくす
・賞与も労働者の貢献に応じて支給する
・各種手当も同一の労働に対し、同一の支給を行う
・福利厚生や教育訓練の機会を均等化する
もし正社員と非正規雇用労働者の間に待遇の違いが存在する場合、なぜその違いが生まれているのかを確認します。それぞれの働き方や役割の違いに応じ、合理的でバランスのとれた待遇の差が設けられている場合は、同一労働同一賃金に反しているとは言えません。しかし、正社員と非正規雇用労働者の待遇の違いについて、企業が必要に応じ労働者に説明を行う義務が発生します。合理的な説明ができるのであれば、格差があること自体に問題はありませんが、合理的な説明ができないのであれば、格差をなくすための検討が必要です。
同一労働同一賃金の実現には、企業側にも大きなメリットがあります。
同一労働同一賃金によって非正規労働者の待遇を是正すると、従業員だけでなく、社会に対しても信頼性の高い企業だとアピールできるため、新たな人材の確保を進めやすくなります。
また、非正規労働者の教育に力を入れ、資格手当等を正社員と同様に支給することで、従業員全体のスキルの底上げにもつながり、さらには業績向上を目指すことも可能です。
こうした待遇をとれば、非正規労働者のモチベーションは上がりますし、早期離職の防止にもつながります。
厚生労働省では、同一労働同一賃金に取り組む企業に対し、さまざまな情報を提供しています。
こちらの「多様な働き方の実現応援サイト」では「パートタイム・有期雇用労働法等対応状況チェックツール」や企業の取組事例などが参照できます。
従業員ひとりひとりが働きやすい職場づくりのために、今一度、現在の状況を確認してみましょう。
厚生労働省:多様な働き方の実現応援サイト