2022年10月からの社会保険適用拡大について②
2022/09/29
2022年10月から段階的に一部のパート・アルバイトの方の社会保険の加入が義務づけられます。
働く人にとっては、将来もらえる年金が増えること、健康保険の給付(傷病手当、出産手当金)が充実すること、会社が保険料を半分負担してくれることなどがメリットとしてあげられます。
事業主にとっては、安心して働いてもらえる基盤をつくることで、人材の確保、働く人の意欲向上につながることがメリットとして考えられます。
その際に利用できる助成金として「キャリアアップ助成金」があります。
キャリアアップ助成金とは
有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(以下、「有期雇用労働者等」という。)の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成するものです。
引用:厚生労働省 キャリアアップ助成金とは
キャリアアップ助成金とは、有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者といったいわゆる非正規雇用の労働者(以下、「有期雇用労働者等」という。)の企業内でのキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して助成するものです。
キャリアアップ助成金「正社員化コース」とは
今回、社会保険適用拡大に伴い、正社員に転換してキャリアアップを目指そうという方がいる場合に利用できるのが正社員化コースです。正社員化コースは、有期雇用労働者等を正規雇用労働者に転換または直接雇用した場合に、事業主に対して助成を行う制度です。
中小企業の場合、有期雇用労働者から正社員に転換すると1人につき最大57万円が支給されます。
このときの正規雇用労働者の定義は「同一の事業所内の正規雇用労働者に適用される就業規則が適用されている労働者」であり、2022年10月1日以降に転換を実施する場合は「ただし「賞与または退職金の制度」かつ「昇給」が適用されている者に限る」とされています。
対象となる労働者は「6か月以上雇用している有期または無期雇用労働者」等ですが、2022年10月1日以降の正社員転換では、「正社員と異なる雇用区分の就業規則等の適用を6か月以上受けて雇用している有期または無期雇用労働者」という条件が適用されます。
正社員化コースを検討する際は、就業規則の変更も必要となってきます。
また助成金が給付される条件は
①制度の規則化
正規雇用労働者に転換する制度を就業規則などより規定していること
②賃金アップ
転換後6ヶ月間の賃金を、転換前の6ヶ月間の賃金より以上増額させていること
③キャリアアップ計画
正規雇用労働者転換の前日までに「キャリアアップ計画」を作成し提出していること
キャリアアップ計画とは、労働者のキャリアアップに向けた取り組みを計画的に進めるための、今後の大まかなイメージを記載した計画です。
引用:厚生労働省:キャリアアップ助成金について
キャリアアップ助成金の申請には、3年から5年以内という長期的な目線での準備が必要になってきます。
変更された就業規則を労働者全員に周知をし、キャリアアップ計画として計画の対象者、目標、期間に加え、目標を達するための取組みをきちんと定めます。また全従業員の代表者の意見を聞くことも含まれます。
キャリアアップ助成金は、労働者が安心して働くことのできる環境整備のために利用するものです。上手に利用して、労働者のキャリアアップを通じて、意欲向上を図り、生産性のアップに繋げていきましょう。