経済産業省が「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」公表
2024/03/29
経済産業省は、仕事をしながら家族の介護を担う、いわゆる「ビジネスケアラー」への対応として、幅広い企業が両立支援に取り組むことを促すため、企業経営における仕事と介護の両立支援が必要となる背景・意義や両立支援の進め方などをまとめた企業経営層向けのガイドラインを公表しました。
求められる「仕事」と「介護」の両立
超高齢化に伴い、仕事をしながら、家族の介護も担う、いわゆる「ビジネスケアラー」の数は増加傾向にあります。2030年時点では約318万ににのぼり、それに伴う経済損失額は約9兆円と予想されています。
ビジネスケアラーは仕事と介護を両立させなければならず、仕事以外の時間である帰宅後、休日などの時間を介護に費やすことになります。その疲労、疲弊が仕事の威力の低下につながります。従業員のパフォーマンスの低下は企業活動そのものにも影響があります。そのためすべての企業が「仕事と介護の両立」を支援する体制を整える必要があります。
経済産業省「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」
ガイドラインでは、全企業が取り組むべき事項として、経営層が全社的にこの問題に取り組むとのコミットメントをし、アンケートや面談などで実態の把握をして、社内研修や調査を具体的な数値目標を定めて実施していくこと、柔軟な働き方ができる制度や経済的支援の充実などを求めています。
経済産業省:「仕事と介護の両立支援に関する経営者向けガイドライン」を公表します
厚生労働省では仕事と介護の両立を支援するための助成金情報も
厚生労働省でも仕事と介護の両立を支援する施策を紹介しています。
「両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)」は、仕事と介護の両立支援の推進に資する職場環境整備に取り組むとともに、介護支援プランの作成、プランに基づく措置を実施し、介護休業の円滑な取得及び職場復帰の取組や、仕事と介護との両立に資する制度の利用を円滑にするための取組み、家族を介護する労働者のために有給休暇取得のための取組みを行った中小企業の事業主に支給されます。こちらは2024年度も継続して施行されるので、合わせて検討してみるのもいいでしょう。