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【社労士監修】ダイバーシティとは?種類や重要性、推進方法、注意点、成功事例を解説

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【社労士監修】ダイバーシティとは?種類や重要性、推進方法、注意点、成功事例を解説

【社労士監修】ダイバーシティとは?種類や重要性、推進方法、注意点、成功事例を解説

2024/12/20

 

ダイバーシティ(Diversity)は、di(バラバラに)verse(向きを変える)というラテン語を語源とし、異なる背景や価値観を持つ多様な個人を受け入れることを意味します。

 

さまざまな視点や能力を受け入れることは、イノベーション創出の機会や創造性を高めることにつながります。日本でも厚生労働省や経済産業省を中心に推進されており、ダイバーシティを重視することは、企業が持続可能な成長や社会的責任を果たすうえで重要なポイントと言えるでしょう。

 

この記事では、ダイバーシティの概要とメリット・デメリット、推進するための手順や成功事例について解説します。

 

ダイバーシティとは

ダイバーシティとは、異なる価値観や背景を持つ人々が共存し、お互いの違いを受け入れ個人を尊重することです。現代の社会や企業では、ジェンダー、人種、年齢、障害の有無などの多様性を受け入れる在り方が重要視されています。

 

ダイバーシティが注目される背景として、少子化による労働力減少やコロナ禍を契機とした多様な働き方の浸透があげられます。企業がダイバーシティを推進するためには、概要を理解し職場環境の整備を行い、すべての従業員が能力を発揮できる場を整えることが大切です。

 

ダイバーシティの種類

ダイバーシティは表層的ダイバーシティ(デモグラフィー型)と深層的ダイバーシティ(タスク型)という2つの異なる視点により分類されます。以下にそれぞれの内容を解説します。

 

表層的ダイバーシティ(デモグラフィー型)

主に年齢や性別、人種、国籍、身体的特徴などといった違いに注目するものです。これらの違いを持つ人々が集まることで、組織やチームに幅広い視点がもたらされます。

 

男女雇用機会均等法に沿った取組や、外国人やシニア層の雇用を増やすことも、表層的ダイバーシティの一つと言えます。表層的ダイバーシティは、組織が多様なメンバーを公平に採用し、平等に業務ができるよう配慮するための土台となります。

 

 

※男女雇用機会均等法は、性別による差別を禁止し、平等な雇用機会を確保するための法律です。この法律に基づき、男女が平等に活躍できる雇用環境を整えることは、ダイバーシティの表層的側面に寄与します。

 

深層的ダイバーシティ(タスク型)

一方、深層的ダイバーシティは内面的な要素に基づく多様性に注目します。価値観や信念、スキル、経験、知識の違いといった、見た目や外的な特徴ではなく内面的な特徴の違いです。

 

個人が持つ独自の視点や知見を取り入れることで、革新的なアイディアが生まれることがあります。また、多くの異なる経験や考え方から、問題解決への道がこれまでより簡単に開けることもあります。

 

 

ダイバーシティとインクルージョンの違い

ダイバーシティとインクルージョンは、どちらも多様性を尊重する使い方をされる言葉ですが、それぞれ強調するポイントに違いがあります。以下に2つの強調するポイントと違いを説明します。

 

 

強調されるポイント

ダイバーシティ

年齢、性別、人種、国籍、障がいの有無や価値観、信念など、異なる要素を持つ人々が共存することを意味します。

インクルージョン

ダイバーシティによって集まった異なる特徴を持つ人々が、公平に受け入れられ、尊重される環境を意味します。すべてのメンバーが能力を発揮できるような場が整えられていることを指します。

 

 

ダイバーシティによって集まった異なる特徴を持つ人々が、公平に受け入れられ、尊重される環境を意味します。すべてのメンバーが能力を発揮できるような場が整えられていることを指します。

 

 

ダイバーシティはどんな人がいるかを、インクルージョンは異なる人がそれぞれ受け入れられている状態に焦点を当てています。2つ組み合わせることで、はじめて多様性が活かされる組織や社会が実現します。

 

ダイバーシティが注目されている理由

ダイバーシティが注目される理由には、主に以下の3点があります。

 

少子化による労働力減少や多様な働き方の浸透

少子高齢化による労働力減少が問題となっており、性別や年齢、国籍などにかかわりなく多様な人材を採用することにより改善が期待されるため。

また、コロナ禍を契機としてリモートワークが普及するなど働き方の多様化がすすんでいるため。

 

経済のグローバル化の進展

経済のグローバル化が進み、消費者ニーズの多様化が進んでいます。年齢、性別、国籍やライフスタイルなど幅広い消費者のニーズに対応するため、ダイバーシティが注目されています。

 

企業の社会的責任

多様な人々が活躍できる社会を実現するために平等な雇用機会を提供し、すべての人々が公平に能力を発揮できる環境を構築することは、企業に課された社会的責任の一つです。CSRの観点からもダイバーシティは注目されています。

 

ダイバーシティの重要性

ダイバーシティが重要なのは、多様な視点や価値観が、組織の競争力や創造性を高める点にあります。異なる背景や考え方を持つ人々が集まることで、従来の考え方にとらわれない革新的なアイデアや解決策が生まれやすくなります。

 

自分とは異なる人を排除することは、企業の成長の機会の損失につながる場合があります。また、異なる経験や価値観を尊重し受け入れることは、社員のモチベーションやエンゲージメントの向上にも寄与し、離職率の低下を防ぎ労働力の確保にもつながります。

 

多様な人材を受け入れ、平等な雇用環境を提供することは、持続可能な成長に不可欠です。

 

 

ダイバーシティのメリット

ダイバーシティには以下のメリットがあります。

 

企業の競争力強化

幅広い視点からの意見やアイデアが生まれやすく、独自性のある革新的な解決策や製品・サービスの開発が促進されます。また、多様な価値観やニーズに対応しやすくなり、顧客満足度の向上にも寄与します。

 

人材確保

多様な人材を採用し、すべての人が自分らしく働ける企業では、従業員の満足感やエンゲージメントが向上します。少子高齢化が進み労働力の減少が課題となるこれからの社会においても、人材確保ができます。

 

企業イメージの向上・ブランド力アップ

ダイバーシティをすすめる取組は社会的責任に向き合う企業として評価されます。ブランド価値の向上につながるとともに、顧客、投資家からの信頼も得られやすくなります。

 

ダイバーシティのデメリット

 

意思決定に時間がかかる

多様な人材が共存する場では、全員の意見を尊重しながら方向を決定することに時間がかかります。スピード感のある対応が必要な場面においては、デメリットとなる可能性があります。

 

コストがかかる

ダイバーシティを推進するためには、新しく制度や研修、トレーニングが必要となる場合があります。ただし、これらの初期投資は長期的には組織の競争力や生産性の向上につながる可能性があります。

 

 

ダイバーシティ経営の推進方法

ダイバーシティ経営とは、多様な人材の能力を最大限に活かし創造性や生産性を高める経営です。以下に一般的な推進方法を解説します。

 

1.方向性の決定

ダイバーシティを推進する目的や企業にとっての価値を全社員に理解してもらうため、方向性を定め周知を行います。

 

2.多様な人材を採用する

異なる多様な人材を採用し、すべての人がそれぞれ力を活かせる業務や役割を用意します。公平な評価を行うことも大切です。

 

3.職場環境の整備

ダイバーシティに関する教育研修やトレーニングを定期的に行います。社員が多様性に対する理解を深め、文化や背景の違いによる摩擦を減らし、全員が協力しやすい環境を整えます。

 

4.評価制度の定期的な見直し

現状の評価制度が、すべての従業員が先入観や差別なしに公平に評価される仕組みであるかを定期的に見直します。公平で透明性のある評価基準を整えることで、全員がやりがいを持って働くことができます。

 

ダイバーシティ経営の注意点

ダイバーシティ経営を進める際には、以下に注意することでより効果を高めることができます。

 

・表面的な取組にならないよう、取組を活かすための社内制度や職場環境をしっかり整える

・社員の多様性への理解を深める

・社員間のコミュニケーションを深める制度の導入やイベントを実施する

 

 

ダイバーシティの成功事例

ダイバーシティを推進し、成果を収めた身近企業の事例を以下に紹介します。このような事例は、ダイバーシティ推進の一つの参考になるでしょう。

 

Microsoft

「Empower every person and every organization on the planet to achieve more. (地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする) 」ことを目標にかかげ、社内ネットワーキング(イベント、語り場など)や相互理解の促進、助け合い、会社の経営陣や人事への提案、外部の団体との連携などを行う社員有志の活動をしています。

 

また、障害のある人をサポートする製品の開発にも積極的に取り組み、製品を通じて社会全体のダイバーシティ推進にも注力しています。

 

ソニーグループ

「誰もが個性を発揮し活躍できる場であること、さらにはインクルーシブな社会の実現に貢献すること」を目指し、ダイバーシティ経営に積極的に取り組んでいます。グローバルな人材を多く採用し、異なる背景や価値観を持つ社員が活躍できる環境づくりに成功しています。

 

ダイバーシティに対してよくある質問

ここではダイバーシティに対してよくある質問とその回答を紹介します。

 

推進する際のポイントは?

 

・取組を活かすための社内制度や職場環境をしっかり整える

・公平で透明性のある評価制度を整備する

・定期的に社内制度の見直しを行う

 

推進に必要なリーダーシップの役割は?

リーダーがダイバーシティについて理解し支持して取組を率先して行うことが重要です。社内の方向性を明確にし、リーダーが社内にしっかりと周知した上で行動で示すことが必要となります。

 

推進に向けた教育や研修方法は?

リーダーシップ研修や、多様な文化を理解しグローバル意識を向上させる教育、他社の成功事例研究といった内容のものを定期的に継続して行うことが有効です。

 

 

まとめ

これからの社会において、ダイバーシティの重要性はますます増していきます。グローバル化や技術革新が進む中で、多様な背景や価値観を持つ人々が協力・協業することが不可欠です。

ダイバーシティは、企業が持続的に成長を目指す上で注目されている要素です。

身近な例として、ダイバーシティを活かせるヒントをいくつかご紹介しました。この記事を参考に、ぜひダイバーシティをすすめていきましょう。

 

 

参考:

Microsoftのダイバーシティ”.Microsoft Corporation.2024,

 

 

"ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン".ソニーグループ株式会社.

 

 

 


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