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卵子凍結とは?詳しい概要・負担費用・妊娠率・助成金や福利厚生での支援企業例について

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卵子凍結とは?詳しい概要・負担費用・妊娠率・助成金や福利厚生での支援企業例について

卵子凍結とは?詳しい概要・負担費用・妊娠率・助成金や福利厚生での支援企業例について

2024/05/21

卵子凍結は、女性が将来の妊娠のために自身の卵子を凍結する医療手段です。

 

この方法は、今後の妊娠や出産の可能性を保持するために、特に医学的な理由や社会的な要因によって子どもを希望する時期を遅らせる女性にとって有益な選択肢となっています。

 

今回は、卵子凍結について、詳しい概要・負担費用・妊娠率・助成金や福利厚生での支援企業例について解説します。

 

 

卵子凍結を福利厚生で支援する企業が増加!

通常、卵子凍結は保険適用外の自費治療ですが、福利厚生として補助を導入する企業が増加しているのを知っていますか?

 

これは、女性がキャリアと家族計画の両立を支援し、従業員の多様なライフスタイルやライフステージに対応するためです。

 

女性の労働力参加率が高まる中、女性の不妊治療や妊娠支援、卵子凍結などの医療費の一部をカバーする制度など、多くの福利厚生を導入しています。卵子凍結を支援する企業は、女性従業員の生活の質を向上させるだけでなく、ダイバーシティ&インクルージョンを重視する企業文化の構築とその周知にも貢献しているのです。

 

卵子凍結へ企業支援の一例

大手IT企業の中には、女性従業員がキャリアを追求する一方、将来の妊娠や出産に対する不安を解消するため、福利厚生に卵子凍結を導入するケースがあります。こういった支援制度では、医療費の一部や全額を企業が負担し、従業員が卵子凍結の手続きを行う際にかかる費用を大幅に削減します。

 

ほかにも、卵子凍結に関連する手術や医薬品の費用だけでなく、医療相談やカウンセリングの費用も支援の対象に含まれる場合もあります。

 

これらの支援制度は各従業員が将来を見据え、キャリアや個人の目標を追求する際に安心して選択肢を持てるように導入されているのです。企業は女性のニーズを理解し、対応することで、女性の働きやすい環境を整備し、多様性と包摂性を推進しています。

 

卵子凍結とは?

卵子凍結とは、女性が将来の妊娠のために自分の卵子を凍結し保存することです。

 

年齢を重ねると共に卵子は老化するため、若い年齢のうちに質の良い卵子を凍結しておくことで、将来の妊娠の可能性を高めることができます。

 

卵子凍結のプロセス

卵子凍結は通常、排卵誘発薬を使用して卵巣の刺激を促し、複数の卵子を成熟させます。その後、卵子は卵巣から採取され、凍結用の特別な方法で凍結されます。

 

凍結した卵子は液体窒素のタンク内で保存され、将来の妊娠のために必要に応じて解凍されるのです。

 

卵子凍結の妊娠率

厚生労働省によると、未受精卵の卵子凍結における妊娠率は全体で22%となっています。

年齢別に見ると、以下の通りです。

 

年齢

妊娠率

21歳~25歳

45%

26歳~30歳

44%

31歳~35歳

43%

36歳~40歳

38%

41歳~45歳

20%

46歳~50歳

10%

 

参考:厚生労働省 P10、P12

 

年齢が進むほど、妊娠率が下がっていきます。

 

卵子凍結の概要

ここでは、卵子凍結の概要について解説します。

 

対象者

卵子凍結の対象者は、将来の妊娠を遅らせる可能性がある女性が含まれます。これには、キャリアや教育などの目標を追求するために、妊娠や出産を先延ばしにする女性が含まれます。

 

また、がん治療やその他の医学的処置により、妊娠能力が低下する可能性がある女性も対象です。また、パートナーがまだ見つかっていないが将来的な妊娠を考えている女性や、自分の卵子を凍結することを個人的な選択として行う女性も含まれます。

 

卵子凍結に目安となる年齢がある

卵子凍結には年齢制限があります。一般的に、女性が卵子凍結を行う最適な年齢は20代~30代初めまでと言われ、卵子の質が比較的高く、凍結後の妊娠率が高い傾向にあります。

 

ただし、年齢が上がるにつれて卵子の質が低下し、妊娠率も低下する可能性があります。

40歳以上の女性は、卵子凍結を行う際には妊娠率が低くなることを考慮する必要があるのです。

 

保管方法・保存期間

凍結された卵子は、液体窒素が入ったタンク内などで極低温保存されるため、凍結卵子の保存期間は長く、数十年にわたることが可能です。

 

ただし、保存期間が長くなるほど凍結解凍時に卵子の品質が低下するリスクが増えるため、実際の保存期間は医療施設や凍結技術の進歩などによって異なります。

 

また、凍結卵子の保存期間は施設や契約内容によっても違いが生じるため、保管施設に確認する必要があるでしょう。

 

凍結可能な卵子の種類

卵子凍結は、未受精の卵子を凍結する方法を用います。同様の手段で受精した卵子を、胚の形成前に卵子として保存も可能です(受精卵の凍結保存)。

 

通常の卵子凍結は、生理周期中の卵胞刺激ホルモン療法によって多数の卵子が採取された後、受精前の卵子が凍結されます。そのため、凍結可能な卵子の種類は、体外受精の際に採取される未受精の卵子に限定されるのです。

 

「変性卵子」は凍結保管が難しい

「変性卵子」とは、通常の卵子よりも妊娠に至る可能性が低い卵子のことを指し、通常の健康な卵子よりも凍結や保存が難しい傾向にあります。理由は、変性卵子は受精や胚の形成に必要な構造や機能が正常でない場合があり、これが凍結や解凍の過程でさらなる損傷を受けやすくなるからです。

 

凍結技術の進歩により、一部の変性卵子でも凍結・保存が可能になる場合がありますが、凍結・保存が成功するかどうかは個々の状況や医療技術に依存します。

 

変性卵子の場合、凍結前の検査や医師のアドバイスを受けると良いでしょう。

 

卵子凍結までの必要なスケジュール

卵子凍結までのスケジュールは、以下の通りです。

 

初回診察

卵子凍結を検討する際に、医師との初回の相談が行われます。これには、健康状態や医学的適格性の評価、凍結手術の詳細な説明などが含まれます。

排卵調査

卵子の採取のタイミングを把握するために、通常は排卵調査が行われます。これには、超音波検査やホルモン検査が含まれるのです。


「卵巣刺激療法」により、卵子の数を増やすと同時に、排卵を促進するため、卵巣刺激ホルモン(FSH、LHなど)が投与されます。これにより、通常の排卵サイクルで得られる卵子の数を増やすことができるのです。

卵子の採取

卵巣刺激が終了した後、卵子が成熟した段階で、通常は卵子の採取手術が行われます。これは通常、超音波ガイド下で行われ、卵巣に針を挿入して卵子を採取します。この注射が痛いと感じる場合があるのです。

凍結

採取された卵子は、液体窒素で急速に凍結されます。この手順により、卵子が長期間保存される際に損傷を受けるリスクが最小限に抑えられます。

 

 

卵子凍結にかかる費用関連

卵子凍結にかかる費用は、保険適用されないため、全額自己負担となります。そのため、総額で40万円から50万円程度の費用負担が見込まれます。

 

項目としては、以下の通りです。

 

・診察費

・卵子の採取手術費

・麻酔にかかる費用

・卵子培養費

・卵子凍結費

・採卵誘発費

・術前検査費

・凍結卵子保存料

・企業の補助があれば、この費用負担が軽減されるため、大きな助力となります。

 

保存・培養・移植等の負担が各病院で異なる

凍結卵子の保存・培養・移植等の負担は、病院によって異なります。凍結卵子の個数などで費用が変動します。

 

そのため、卵子凍結の手術を受けたい病院のホームページや、実際に問い合わせてみるなどして確認すると良いでしょう。

 

卵子凍結で活用できる助成金

ここでは、卵子凍結で活用できる助成金について解説します。

 

東京都|卵子凍結に係る費用助成

東京都では、卵子凍結に係る補助金があります。詳細は以下の通りです。

 

主な対象要件

対象者は東京都在住で、18歳以上39歳以下の女性(採卵実施日の年齢)。

 

1.東京都開催の、卵子凍結の正しい知識を持つための説明会へ参加すること

2.説明会への参加を申込日から都に助成金申請する日までの期間、継続し都内に住民登録があること

3.説明会参加後、東京都指定登録医療機関で採卵準備の為の投薬をスタートすること

4.受精卵子の採卵又は凍結後に、東京都実施調査へ協力必須

5.凍結卵子の売買、譲渡その他第三者への提供はどのような場合も禁止。また、海外への移送も禁じる。

6.卵子凍結後、実施調査に対し、継続的(最大5年間)に回答する

※上記項目を全て満たす必要があります。

 

助成額

・卵子凍結を実施した年度に関して、上限20万円

・次年度以降:保管更新時調査に回答時、1年毎一律2万円(最大5年間)予定

・合計30万円(最大)

 

参考:東京都

 

東京都|凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成

東京都では、凍結卵子を使用した生殖補助医療への助成があります。詳細は以下の通りです。

 

主な対象要件

妻の年齢が43歳未満の夫婦(事実婚も含まれます)で凍結卵子を使用した生殖補助医療を受ける方。

 

・生殖補助医療開始の日から、申請日までの間において、事実婚を含み夫婦であること

・生殖補助医療開始日に、妻の年齢が43歳未満の事実婚を含んだ夫婦であること

・生殖補助医療開始の日から申請日まで間において、以下のどちらかに当てはまること

・① 法律婚の夫婦に関して、夫婦のどちらかが継続して東京都内に住民登録をしている状態であること

・② 事実婚の夫婦に関しては、夫婦が共に継続して東京都内の同一住所に住民登録をしている状態であること

 

助成額

・1回につき上限25万円(最大6回まで)

・初の助成を受けた場合に、施術開始日において適用。※妻の年齢が40歳未満なら6回まで助成されます。※年齢が40歳以上であれば、3回までが助成回数上限です。

・すでに凍結卵子を融解して作成した凍結胚を、胚移植する場合は、1回につき上限10万円まで助成されます。

 

参考:東京都

 

【企業向け】卵子凍結を福利厚生導入として検討しよう!

ここでは、卵子凍結を福利厚生として導入するメリットと、デメリットについて解説します。

 

企業へのメリット

卵子凍結を企業が福利厚生として導入するメリットは、企業のイメージアップと労働力確保です。

 

卵子凍結を福利厚生として導入することによって、新しい取り組みをしている企業として、企業のイメージアップにつながります。

 

また、女性に対して働きやすい会社であることが採用時に伝えることができ、特に女性採用で他社よりも優位に立つことが可能です。

 

企業へのデメリット

企業側がこの制度を導入するデメリットは、費用負担が増大することです。

 

卵子凍結には40万円から50万円という高額な費用が必要です。また、高齢出産の社員自身が、子供がダウン症となるリスクも考慮される点もあります。厚生労働省によると、ダウン症を持つ子供の出生の70%が高齢出産に関連していると報告されているのです。

 

参考:厚生労働省 P6

 

女性社員が子供を産むタイミングを調整できる一方で、社員がリスクを抱える制度でもあるということです。ただし、やり方次第では、企業の生産性を大きく上げることができます。

 

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まとめ

今回は、卵子凍結に対する企業のサポートについて解説しました。卵子凍結は、女性が将来の妊娠のために自身の卵子を凍結する医療手段です。

 

この方法は、特にキャリアや教育の優先順位が高い女性や医学的な理由により妊娠能力が低下する可能性がある女性にとって有益な選択肢です。

 

近年、企業の福利厚生で、卵子凍結を支援する取り組みが増加しており、これは女性の働きやすい環境整備や多様性と包摂性を推進する一環として注目されています。

 


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