人事部の役割とは?業務内容(仕事)と必要なスキルについて紹介!
2022/03/04
企業の「人事部」というと、社員の採用や入社後の社会保険などの手続きをする部署というイメージが強いかもしれません。しかし、多くの企業では採用に関する業務だけでなく、人材に関わる幅広い業務を人事部が担当しています。この記事では、企業における人事部の役割と具体的な業務内容、そして人事部の社員に必要なスキルや知識について紹介します。これから自社に人事の部署を作ろうと考えている経営者の方や、会社を立ち上げようと思っている方は参考にしてください。
人事とは?
企業を経営していく上で、必要となる要素や能力を「経営資源」といいます。良質な経営資源を、いかに確保するかによって企業の競争力が決まります。一般的に、経営資源として重要なものとして「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」があげられます。この「ヒト」の部分全般に関係する仕事が人事です。
人事部の役割
人事に関する業務を担うのが人事部ですが、その内容は企業によって異なります。ここでは、一般的な人事部の役割について解説します。
人材採用
人員計画に沿って、必要となる人材を確保する業務を行います。採用には、新卒採用、中途採用、非正規採用などさまざまな形式があります。すべての採用活動を、人事部が担当する企業もありますが、非正規採用は人事部ではなく配属される現場や部門が担当する企業もあります。
人材採用に関する業務は、採用計画の立案から採用活動の準備やスケジュールなどの調整、求人情報の作成と掲載、応募書類による書類選考、面接試験など多岐にわたります。
人材評価
社員を評価する制度や仕組みである「人事評価」を、設計・運用するのも人事部の業務です。
人事評価は、昇給や賞与など待遇を決めるためのものと思われがちですが、他にも人材育成や適正な人材配置、社員のモチベーション向上などの役割や目的があります。人事部は、自社の目的に合わせて人事評価制度を設計・運用することが大切です。
人材育成
社員を採用するだけでなく、教育や研修を実施して育成することも人事部の仕事です。しかし、すべての教育や研修を人事部で行うわけではなく、外部講師に委託することもあります。
外部講師との打ち合わせや調整をはじめ、自社の社員にどのような研修が必要かを検討して、教育体制や教育計画を立案するのも人事部の役割です。
労務
勤怠管理や社会保険の手続き、給与計算、健康診断、福利厚生など、社員の労務に関わる管理や書類の作成や提出、手続きを行うことも人事部の仕事です。いずれも社員が安心して働くために必要なことです。最近では長時間残業やストレスによるうつ病や過労死が社会問題になっていて、メンタルヘルスへの対策も、人事部の重要な仕事になっています。
環境構築
社員が働きやすいように、オフィス環境を整備するのも人事部の仕事です。オフィス環境は、社員間のコミュニケーションやモチベーション向上、生産性向上に大きく影響します。また、社員の交流や親睦を図るための社内イベントの企画や、社内報の発行などもコミュニケーションを活性化するために人事部が行う仕事です。
人事の業務内容(仕事)と必要なスキルは?
ここでは、人事の具体的な業務内容と、必要とされるスキルや知識について解説します。
人事計画の立案
「人員計画」は、自社の長期的な事業計画や労働市場環境を踏まえた「要員計画」を基にして策定されます。人員計画は、長期的視点に立った人員に関する計画で、採用や異動、配置に関する計画のことです。人員計画を立案するには、自社の経営計画や事業計画を十分に理解して、それを達成するためには、どのような人材がどのくらい必要かを、把握する必要があります。
採用活動
人員計画に沿って、必要な人員を採用するための活動を行います。採用活動の流れは、企業情報・募集情報の公開→応募受付→会社説明会→書類選考→面接試験→内定者決定→内定者フォロー→入社となります。この全体のスケジュールを立てて、進めて行くのが人事部の仕事です。採用活動では、自社の概要や魅力を応募予定者に伝える必要があるため、コミュニケーション能力やプレゼン力が必要とされます。
社員育成・教育研修
社員育成や教育研修で一番重要なのは、自社の社員にどのような教育研修が必要なのかを把握することです。そのためには、自社が求める人材をしっかりと理解して、個々の社員に不足しているスキルや知識を分析する能力が必要です。また、外部講師との交渉や調整も必要です。
労務管理
労務管理では、勤怠管理や社会保険の手続き、給与計算などの業務を行うため事務処理能力やOAスキルが必要となります。また、法律違反とならないように、労働基準法や職業安定法、男女雇用機会均等法、労働安全衛生法など、雇用関連の法律については押さえておく必要があります。
まとめ
人事部は、採用・評価・育成・労務管理など幅広い業務を行う部署です。それぞれの業務で、必要とされるスキルや知識は異なりますが、大切なことは雇用関連の法律を遵守することです。法律違反を犯すと社会的な信用を失い、新規に人材を採用することが難しくなります。経営者も含め、法律に関してしっかりと理解するようにしましょう。