これからの「働き方改革」
2022/04/20
「働き方改革」とは政府が掲げる「一億総活躍社会実現」に向け、働く人々の労働環境を大きく見直す取り組みのことです。これは従業員数や企業規模にかかわらず、中小企業から個人事業主まですべての企業に必要なことです。目的を理解し適切に取り組むことで企業の労働環境の改善や、労務問題の解決につながるなど有効な手段だと考えられます。時間やコストをかけるのであれば、法令の基準を満たすための形だけのものではなく、本当の意味での「働き方改革」を目指すべきだといえます。
「働き方改革」のポイントをチェック
政府はこの制度のことを「働く方々が個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方を自分で「選択」できるようにするための改革」としています。
背景には日本が直面する「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「働く人々のニーズの多様化」があります。
・労働人口の減少
まさに労働力となる15歳以上65歳未満の「生産年齢人口」は1990年代をピークに減少し続けており、深刻な人手不足に陥っています。またこの「生産年齢人口」に当たる年齢の人々は育児・介護といったやむを得ない事情により離職を余儀なくされたり、復帰の困難に見舞われたりしているケースが現状多く見られます。
・「労働生産性」の低下
「労働生産性」とは「労働者1人あたりから生み出される成果」をいいます。この労働生産性は、国の経済成長に大きく関連しています。労働人口の減少が問題化している中、労働者1人あたりの生産性を高めていかなければいけません。
・長時間労働・過労死問題
日本には従業員が企業のためにプライベートを犠牲にして仕事に邁進するといったことを良しとする文化がありました。その結果、長時間労働の常態化が起こりました。
また長時間労働に関する過労死は、国内の大手企業でも発生し訴訟に発展したことから、メディアで大きく取り上げられ、国民全体に問題意識が浸透していった経緯があります。
「働き方改革」でもたらされるメリットは
では「働き方改革」をして何かメリットはあるのでしょうか?
企業側は「働き方改革」に取り組んでいる企業だと社内外にアピールすることでメリットを得ることが出来ます。長時間労働を改め、多様な働き方を取り入れることにより、従業員のモチベーションアップにつながり、それは生産性の向上にもつながるでしょう。
従業員側にもメリットはあります。「働き方改革」により働きやすい環境に職場が整えられていくことで、ワークライフ・バランスを充実させることが出来るでしょう。私生活が充実すれば仕事のパフォーマンスもアップします。
これからの「働き方改革」とは
この「働き方改革」とは即時的に効果を発揮するものとは異なるため、社会情勢、景気、企業状態などにより日々刻々と変化を必要とするものでしょう。たとえば新型コロナウイルス問題も大きなそのひとつといえます。
テレワークの拡大や時差出勤の導入などがまさにそうでしょう。変化には苦労も伴い、制度の改革や見直しなど膨大な作業も必要になると思われます。企業としては変化をしながら、柔軟に対応し、従業員が働きやすい、幸せを享受できる職場づくりに取り組んでいきたいものです。