2024年10月から従業員数51人以上の事業所に拡大~社会保険適用の拡大
2024/01/19
2024年の大きな法改正のひとつとして、社会保険の適用拡大があります。
現在、パートやアルバイトなどの短時間で働く労働者で社会保険に加入が義務付けられているのは、従業員数が101人以上の企業です。2024年10月からはこの人数の要件が、従業員数が51人以上の企業に拡大されます。
この「51人以上」とは企業のすべての従業員ではなく、「社会保険の被保険者」になり得る従業員の人数をいいます。社会保険の被保険者になり得る従業員が51人以上100人以下の企業を「特定適用事業所」といいます。また、繁忙期には51人以上になる、という流動的ではなく、6ヶ月以上51人以上100人以下になることが必要です。
社会保険に加入が必要となる労働者の要件とは
①週の所定労働時間が20時間以上 ②賃金の月額が88,000円以上 ③雇用期間が2ヶ月を超えることが見込まれる ④学生ではない |
この4つの要件にすべてあてはまる場合は、「短時間労働者」となり、社会保険への加入が必要になります。
社会保険に加入することのメリットを厚生労働省がリーフレットに
社会保険に加入することで、将来に老齢厚生年金を受給出来たり、障害状態になったとき、また病気やけがで働くことが出来なくなったりしたときの保障は手厚くなります。ただ保険料の負担を重く感じて、働く時間を減らしてしまったりする場合も出てきてしまいます。いわゆる「年収の壁」の問題です。
厚生労働省ではパート、アルバイトの方向けに、社会保険に加入することのメリットをわかりやすくまとめたリーフレットを新しく発行しています。
厚生労働省:社会保険への加入推奨用リーフレット(詳細版)
企業側にはキャリアアップ助成金の新設コースが
労働者が社会保険に加入して保険料を負担することになる、とは企業側にとってもまた保険料の負担が増えるということになります。そこで企業側の負担を軽減するため、また、パートやアルバイトの短時間労働者に対して社会保険への加入を後押しするために「キャリアアップ助成金」に新たに「社会保険適用時処遇改善コース」が新設されました。
厚生労働省:キャリアアップ助成金「社会保険適用時処遇改善コース」
まずは、自社が「特定適用事業所」にあたるのか。該当した場合、新たに社会保険へ加入が必要となる対象者は誰なのか、何人になるのかを洗い出し、対策をする必要があります。