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教育訓練給付制度とは?対象講座や条件、申請手順、会社負担についてわかりやすく解説

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教育訓練給付制度とは?対象講座や条件、申請手順、会社負担についてわかりやすく解説

教育訓練給付制度とは?対象講座や条件、申請手順、会社負担についてわかりやすく解説

2024/05/13

教育訓練給付制度は、厚生労働省のサポートを受けながら教育を受けるためのシステムです。教育訓練給付制度を利用することで、教育にかかる負担を下げることができます。

 

本記事では、対象講座や条件、申請手順、会社負担についてわかりやすく解説します。

 

 

教育訓練給付制度とは

教育訓練給付制度は、厚生労働省が職業能力向上を支援するために設けた制度です。働き手のスキルアップと、安定した就労環境の獲得が目的です。

 

労働者が厚生労働省の指定する職業訓練を受ける際に発生する経費の一部を補助することで、勉強に参加しやすくなっています。

 

45歳以上や50歳以上という年齢の制限はなく、在職中かどうかも問わず訓練に参加して、勉強をすることをサポートしてもらえます。

 

教育訓練給付制度の種類

訓練に対する給付金制度には、一般教育訓練給付金、特定一般教育給付金、専門実践教育訓練給付金があります。それぞれについて解説します。

 

一般教育訓練給付金

一般教育訓練給付金は、対象となる講座の範囲が広いです。日商簿記や福祉系資格のカリキュラムがあり、50以上のカリキュラムが対象講座です。希望する教育訓練を受けることで、その一部費用がハローワークから補助されます。支払った費用の2割に相当する額が補助され、10万円が上限となります。

 

特定一般教育給付金

特定一般教育給付金の特徴として、IT系の講座や事務系の講座が充実しています。主にスキルの底上げを目指す人におすすめのコースです。金額は、支払金額の4割相当額が補助され、20万円が上限となります。

 

専門実践教育訓練給付金

専門実践教育訓練給付金は、高度なスキルや専門知識を身に付けることを目指す方を対象としています。例えば、美容師や看護師などの専門職の資格取得を目指す方や、特定の業界でのスキルアップを図りたい方がこのコースに向いています。

 

金額は支払額の5割相当額が補助されます。年間40万円以上のとき、その金額まで補助され、3年で120万円まで受け取ることができます。

 

【一般教育訓練】給付金の概要

ここでは、一般教育訓練給付金の対象講座や、受給条件や期間、注意点について解説します。

 

対象となる講座一覧

コースの対象となる講座の一例は、以下の通りです。

 

一般教育訓練給付金の対象講座(一部)

司書・司書補

産業カウンセラー試験

第四次産業革命スキル

 

Microsoft Office Specialist 2016

VBAエキスパート

簿記検定試験(日商簿記)

 

日本語教育能力検定試験

実用英語技能検定(英検)

TOEIC、VERSANT、TOEFL iBT

 

HSK漢語水平考試

「ハングル」能力検定

建設業経理検定

 

 

上記以外にも、厚生労働省が指定した多くの指定講座が対象となります。

 

受給条件・期間

受給条件および期間は、以下を満たす必要があります。

 

・受講開始日において、雇用保険被保険者期間が3年以上。初回は、1年以上の期間が必要

・受講開始日において、被保険者であること。被保険者でない場合、離職日の翌日から受講が始まるまで1年以内。適用対象期間が延長がされた場合において、20年以内であること。

・前回の受給から今回の受講開始までに3年以上の期間が経過済

 

注意点

受講開始日をカウントする日は、訓練所定の開校日(通学1日目が必ずしも該当しない)。通信制の場合、教材発送日が開始日となります。

学校側が証明する日が開始日になるため確認が必要です。

 

【特定一般教育】給付金の概要

特定一般教育給付金について、対象講座や、受給条件や期間、注意点について解説します。

 

対象となる講座一覧

以下は、対象講座の一例です。

 

特定一般教育給付金の対象講座(一部)

短時間の職業実践力育成プログラム(人文科学・人文)

短時間のキャリア形成促進プログラム(文化教養関係)

キャリアコンサルタント

社会保険労務士試験

ファイナンシャル・プランニング技能検定試験

行政書士

税理士

中小企業診断士試験

 

 

 

上記の他、特定一般教育給付金の対象となる指定講座が含まれます。

 

受給条件・期間

特定一般教育訓練給付金を受けるための条件は以下の通りです。

 

・受講開始日時点で雇用保険被保険者期間が3年以上

・初めて支給を受ける場合、受講開始日時点で雇用保険の被保険者期間が、1年以上

・受講が始まる日の時点で被保険者でないケースでは、離職日の翌日から、受講する日までが1年以内。ただし、適用対象期間延長があるときは、最大20年以内

・前の受給から、今回の受講が始まる日までに3年以上経過済みの場合

 

注意点

受講開始日までに必ずハローワーク指定のキャリアコンサルティングを受けることが必要となります。

 

【専門実践教育訓練】給付金の概要

ここでは、専門実践教育訓練の対象講座や、受給権条件、注意点について解説します。

 

対象となる講座一覧

このコースの対象の一例は、以下の通りです。

 

専門実践教育訓練給付金の対象講座(一部)

第四次産業革命スキル習得講座

職業実践専門課程

商業実務

 

上記の他、特定一般教育給付金の対象となる指定講座が含まれ、専門的なスキルや知識を身に付けることができます。

 

受給条件・期間

受給条件は、以下の通りです。

 

・受講日において、雇用保険被保険者期間が3年以上。初回の方は、2年以上の支給要件期間が必要

・受講日において、被保険者でない場合、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内

・前の補助を受けた日から今回のコースが始まる日までに3年以上の期間が経過していること。

 

注意点

受講開始日までに公共職業安定所指定キャリアコンサルティングを受けることが必要です。

 

教育訓練給付制度の申請プロセス

ここでは、教育訓練給付金制度の申請プロセスについて解説します。

 

提出書類|一般教育訓練給付金

一般教育訓練給付金の提出書類は、以下の通りです。

 

・教育訓練給付金支給申請書

・教育訓練修了証明書

・領収書

・本人・住居所確認書類(運転免許証、マイナンバーカード、住民票の写しなど)

・マイナンバーカード等

・通帳またはキャッシュカードのコピー

・教育訓練経費等確認書

 

領収書は支払いを証明するために訓練を実施した学校などから発行されます。クレジットカードで支払った場合は、クレジット契約証明書またはクレジット伝票が必要です。

 

通帳やキャッシュカードのコピーについては、金融機関名、支店名、口座番号、申請者氏名が記載されている面のコピーを準備するようにしましょう!

 

提出書類を用意する際の注意点

注意点として教育訓練給付金の申請書は、やむを得ない事情が認められない限り郵送できません。

 

提出書類|特定一般教育給付金・専門実践教育給付金

特定一般教育給付金と専門実践教育給付金は、以下の書類が必要です。

 

・受給資格者証

・ジョブカード

・本人確認書類

・マイナンバーカード等

・写真2枚(専門実践教育)

 

詳しい手続きの流れ

以下では、手続きの流れをより詳細に説明します。

 

0:受講前の手続き(専門実践教育訓練と、特定一般教育訓練を受ける人)

公共職業安定所指定のキャリアコンサルティングを受ける

1:講座に申し込みと支給要件照会

・希望する講座に申し込みます。

・制度の対象となる講座であるかを確認します。

・ハローワークやネットの検索システムなどで情報を入手し、申し込み手続きを行います。

・受給資格があるかどうか支給要件照会を受けましょう。

2:特定一般教育と専門実践教育を受ける人は、受講前に支給申請手続きをする

特定一般教育訓練または、専門実践教育訓練志望者は、受講を開始する1ヵ月前まで支給申請の手続きをしてください。一般教育コースでは不要です。

3:講座の受講

出席日数を考えて、修了できるように受講しましょう。資格の取得が支給要件ではなく、講座の修了ができるかどうかが、受給できるかどうかを決定します。

4:給付金の申請

講座修了後、給付金の申請手続きを行います。申請書や必要書類を整え、ハローワークに提出します。

5:書類の確認と審査

ハローワークで申請書類や必要書類が確認され、給付の対象となるかどうか審査されます。

6:給付金の支給

審査が完了し、給付の対象となった場合、指定の金融機関に給付金が振り込まれます。

以上が教育訓練給付金の申請から支給までの手続きの詳細な流れです。

 

以上が教育訓練給付金の申請から支給までの手続きの詳細な流れです。

 

教育訓練給付制度のメリット

教育訓練給付制度を活用するメリットは複数あります。

 

講座受講料の経費を補助してもらえる

まず、このシステムを利用することで、受講者は講座の受講料の経費の一部を補助してもらえます。これにより、教育にかかる費用が軽減され、受講者は経済的な負担を抑えながらスキルアップを図ることが可能です。

 

実務へ生かせる資格・知識の取得が可能

実務に役立つ資格と知識を得ることができます。実務に必要とされる資格や知識を取得することによって、出世や昇給などで有利になることができるのです。さらに、IT関連の資格も充実しており、これから必要とされるITスキルなどを身に付けることも可能です。

 

教育訓練給付制度のデメリット

次は教育訓練給付制度のデメリットについて解説します。

 

先払い式!講座修了後に給付される

制度を活用するデメリットは、お金は先払いをしなければならないという点です。先にお金を払って、後で一部を返してもらうことになります。また、途中で講座を辞めるとお金は入ってきません。先にお金を払って、しっかりと講座を修了しないとお金が入らないため、途中で辞めると全額自己負担になります。

 

最低出席日数を守らなければならない

開催されている講座には、修了に当たって最低出席日数を満たす必要性がありますので、もしも途中で最低出席日数を割ってしまうとお金はもらえないということです。また、補助されるのは講座の費用のみで、交通費や教材費などは補助されません。

 

不正受給は3倍の額で返還しなけばならない

さらに、不正受給に該当してしまうと、受給したお金は、3倍返し(補助された金額そのものに加えて、2倍返還)となります。不正にならないように注意する必要性があります。

 

会社負担の研修で教育訓練給付制度の活用は可能?

不正受給として処罰されることになるため、そのような申請は避けましょう。

理由として、この制度は個人が学びたいと思い指定講座を受講することによって成り立ちます。あくまでも個人向けの制度であり、会社が社員のために実施した訓練のお金を補填する目的では行われていません。具体的には、会社が費用を負担してくれている講座の費用を国に払わせるようなことはしてはいけないということです。

領収書などでチェックが行われますが、会社負担分と個人負担分が混在している場合、その証明が必要です。

 

教育訓練給付制度の利用は会社にバレる?

基本的に会社にバレてしまうことはありません。理由として、会社が一部負担をしているケースを除いては、会社が手続きに入り込むことがないためです。

 

ただし、専門実践教育訓練の追加給付を申請する場合には事業主証明が必要となるため、会社を必ず通すことになります。また、訓練に参加するためには、雇用保険被保険者証が必要となります。

 

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まとめ

今回は、教育訓練給付金について解説しました。このシステムは、厚生労働省の指定する講座を受け、修了することにより、料金の一部を補助してもらえる制度です。司法書士などの業務独占型の難関資格から、看護師や介護士などの医療系の実務直結型の資格、IT関連の資格など、様々な資格取得を目指して勉強できます。

 

メリットは、補助を受けながら勉強することができ、負担が軽減されることです。また、デメリットは、先払いであるため、補助がなされるのは修了してからという点です。さらに、不正受給に該当すると判断された場合には、補助額の3倍を返さなくてはいけません。

 

うまく活用して、自分自身の専門性を高めてみましょう。

 


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