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【事業者必見】社会保険の加入条件とは?2024年以降の変更点・必要な手続きを紹介!

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【事業者必見】社会保険の加入条件とは?2024年以降の変更点・必要な手続きを紹介!

【事業者必見】社会保険の加入条件とは?2024年以降の変更点・必要な手続きを紹介!

2023/11/29

狭義の社会保険(健康保険と厚生年金保険)に関しては、対象の事業所で働いている労働者は常に加入が必要です。また、パート従業員なども一定の条件を満たす場合は加入する必要があります。

 

さらに、2022年10月と2024年10月の法改正により、社会保険への加入が義務化される従業員の範囲は広がることになります。

 

本記事では、社会保険に加入が必要な会社や従業員の条件、実際に必要な手続き、未加入の場合の罰則について詳しく解説します。

 

社会保険への加入条件?

ここでは社会保険への加入条件について解説していきます。

 

正社員・代表者・役員等である

社会保険への加入条件は、雇用形態や企業の役職によって異なることがあります。正社員である場合、加入義務が発生します。また、代表者や役員も加入対象となります。

 

さらに、週の所定労働時間や1ヶ月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上である人も加入対象となります。従業員数101人以上の事業所では、短時間労働者も加入対象です。

 

※加入条件は個々の状況によって異なるため、具体的な条件については所属する企業や労働契約などを確認する必要があります。

 

所定労働時間・労働日数が規定以上である

週の所定労働時間数が正社員の4分の3以上であり、月の所定労働日数も同様に4分の3以上である必要があります。

 

所定労働時間とは、労働契約において定められた一定期間内で働くことが求められる時間です。例えば、週に40時間働くことが契約上求められている場合、週の所定労働時間数は40時間以上である必要があります。

 

また、労働日数とは、労働契約において定められた一定期間内で働くことが求められる日数です。例えば、月に20日働くことが契約上求められている場合、月の所定労働日数は20日以上である必要があります。

 

社会保険に加入することで、労働者は健康保険や厚生年金などの給付を受けることができます。逆に、所定労働時間や労働日数が規定を下回る場合、社会保険への加入が必要なくなる場合もあります。

 

パート・アルバイトは条件によって加入対象となる

パート・アルバイトの方が社会保険に加入するためには、勤務時間及び日数が、正社員の4分の3以上であることが求められます。つまり、週に4日以上勤務し、1日の勤務時間が正社員の勤務時間の3分の4以上である必要があります。

 

さらに、年収が106万円以上であることも条件の一つです。これらの条件を満たすことで、パート・アルバイトの方も社会保険の加入対象となりました。

 

2022年10月1日からは、従業員数101人以上の企業で働く方も社会保険の加入対象になります。これにより、社会保険の範囲がさらに拡大され、より多くの人々が手厚い保障を受けることができるようになります。

 

加入条件の一覧

パート、アルバイトの社会保険加入条件は以下のとおりです。

 

・週の所定労働時間が20時間以上

・2ヵ月を超える雇用の見込みがある

・月額賃金(所定)が8.8万円以上

・学生以外(定時制や夜学等を除く)

・従業員が101人以上の事業所に勤めている

 

2022年10月からは、「1年以上の継続勤務が見込まれる」という条件がなくなります。さらに、2022年10月には適用となる事業所の規模が501名以上から101名以上に変更され、2024年10月にはさらに51名以上に変更される予定です。

 

派遣労働者も条件によって加入対象となる

2022年10月以降の社会保険では、新たに社会保険の加入対象となるためには、4つの条件をすべて満たす必要があります。まず、1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が通常労働者の3/4以上であること、そして、2か月以上の雇用が見込まれることです。

 

これらの条件を満たす派遣労働者は、社会保険への加入が義務づけられます。社会保険は、雇用形態に関係なく、加入条件を満たせば被保険者になる保険制度です。具体的には健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険の4つの種類があります。

 

ただし、加入条件を満たさない場合は、社会保険への加入は義務付けられていません。派遣労働者の方は、自身の雇用形態や労働条件を確認し、社会保険の加入について適切な判断を行う必要があります。

 

加入条件一覧

派遣労働者の社会保険の加入条件は以下のとおりです。

 

・週の所定労働時間が20時間以上

・2カ月を超える雇用の見込みがある

・賃金月額が88,000円以上

・学生ではない

・従業員規模が101人以上の事業所に勤めていること

 

社会保険へ適用除外となるケース

社会保険への適用除外となるケースはさまざまあります。どんなケースが除外となるのかを解説します。

 

加入保険の条件・特定の職業の方

医療保険(健康保険)の適用除外となる人は、自営業者や農業経営者などの特定の職業に従事している場合です。また、医療保険に加入していない国民健康保険や後期高齢者医療制度の被保険者も適用除外となります。

 

ほかにも、厚生年金の適用除外となる人は、公務員や一部の公的機関の職員、特定の国際機関の職員などです。

 

さらに、雇用保険の適用除外となる人は、公務員や一定の年齢以上の高齢者、一定の条件を満たすパートタイム労働者などが該当します。これらのケースでは、社会保険への加入が義務付けられていないため、適用除外となるのです。ただし、適用除外となった場合でも、個別に民間の保険に加入することで自己のリスクをカバーすることができます。

 

社会保険へ加入できる事務所

ここからは社会保険へ加入できる事務所について解説していきます。

 

強制適用事業所

強制適用事業所には、法人事業主や個人事業主が含まれます。

 

法人事業主の場合、従業員の人数に関係なく、社会保険への加入が義務付けられます。つまり、従業員が1人でも社会保険に加入しなければなりません。

 

個人事業主の場合は、従業員を5人以上常時雇用している事業所が強制適用事業所となります。製造業、鉱業、土木建築業、電気ガス事業、清掃業、運送業などの一部の業種は、従業員を1人以上雇用している場合でも強制適用の対象とされています。

 

強制適用事業所に勤務している場合、従業員の人数や勤務時間に関係なく、短時間労働者でも社会保険への加入が義務付けられます。社会保険の加入条件が見直され、加入しやすくなった一方で、扶養内で働きたい人にとっては労働日数や時間を考慮する必要があります。

 

任意適用事業所

任意適用事業所は、社会保険に加入するかどうかは、事業主の意思によって決めることができます。

 

任意適用事業所には、特定の要件を満たすことが必要です。たとえば、従業員の半数以上が社会保険に加入することに同意し、事業主が厚生労働大臣の認可を受ける必要があります。また、従業員の数にも制限があります。個人事業主の場合は、常時5人以上の従業員を雇っている必要があります。

 

なお、任意適用事業所として社会保険に加入する場合、加入する保険制度は健康保険のみ、または厚生年金保険のみのどちらかひとつを選ぶことができます。加入する保険制度は事業主の判断によります。

 

社会保険加入へ必要な手続き

ここでは社会保険加入へ必要な手続きについて解説していきます。

 

強制適用事業所の場合

強制適用事業所がすべき具体的な手続きとしては、健康保険・厚生年金保険の「新規適用届」の提出が挙げられます。これは、事業所を設立し、健康保険・厚生年金保険の適用を受けようとする場合に提出する書類です。

 

提出先は事業所の所在地を管轄する、年金事務所や事務センターとなり、提出方法は電子申請や郵送、窓口へ持参する等の手段により可能です。

 

任意適用事業所の場合

任意適用事業所が社会保険へ加入するためには、従業員の半数以上が適用事業所となることに同意し、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受ける必要があります。認可を受けた場合、従業員全員が加入し、保険給付や保険料は適用事業所と同様の扱いとなります。

 

手続きは従業員の半数以上の同意後、速やかに事務センターまたは管轄の年金事務所へ必要書類を提出をしましょう。

 

一括適用の申請をする場合

一括適用とは、複数の事業所を一つの適用事業所として扱うことを指します。具体的には、人事、労務、給与の範囲や方法、各種届書の作成過程、被保険者への通知方法などについて文書を提出します。申請先は、一括適用事業所の所在地を管轄する年金事務所です。

 

申請日は、5月から8月を除く月の末日とされ、承認日から適用事業所とみなされます。社会保険の適用関係届書や申請書は、事務センターまたは年金事務所に郵送する必要があります。また、電子送付を希望する場合は、オンライン事業所年金情報サービスを利用することもできます。

 

会社が新たに社会保険の適用を受ける場合や従業員の入退社、被扶養者の変更などでも書類の提出が必要となります。

 

他社で社会保険加入済みの場合

他社で既に社会保険に加入している場合、新たに加入する際にはいくつかの手続きが必要です。

 

・現在加入している保険会社に対して退職届を提出する必要があります。退職届は、現在の雇用先で取得することができます。

・新たに加入する会社の人事部や労働保険事務所には、前の保険会社から発行してもらう「保険加入証明書」を提出する必要があります。

・新たに加入する社会保険に関する書類(健康保険・厚生年金保険の新規適用届や被保険者資格取得届など)を、事務センターまたは年金事務所に提出します。

 

以上の手続きを経て、他社での社会保険加入済みの状態から新たな会社の社会保険に加入することができます。ただし、手続きには一定の期間がかかる場合もあるため、早めに手続きを進めることが重要です。

 

加入対象者で未加入が発覚した場合

社会保険加入へ必要な手続きにおける加入対象者で未加入が発覚した場合、さまざまな対応が取られます。まず、未加入の理由や期間を調査し、適切な対策を検討します。もし加入対象者が加入を怠っていた場合、罰則が科される可能性があります。

 

罰則は、未加入期間に応じて適用され、支払うべき保険料の追納や過去の未加入期間の保険料の支払いなどが求められます。また、未加入の場合は、社会保険に加入するよう求められ、加入手続きが行われます。加入手続きには、必要な書類の提出や手続きの申請が含まれます。

 

さらに、未加入の状態が続く場合は、厚生労働省や社会保険庁からの指導や監査が行われる可能性もあります。これらの対応は、社会保険制度の適正な運用と加入者の保護を目的としています。未加入の場合は、適切な手続きを行い、社会保険に加入することが重要です。

 

【2024年以降】社会保険適用範囲が変更へ!

ここでは社会保険適用範囲の変更について解説していきます。

 

【変更前】これまでの加入条件

2024年10月の社会保険加入義務の改正により、パート・アルバイトも加入条件が拡大されます。これまでは、週の労働時間が30時間以上で、2カ月以上の雇用の見込みがある場合に限り、社会保険への加入が義務づけられていました。

 

【変更後】2024年10月以降の加入条件

新たな改正では、これまでの加入条件が変更されます。今後は、従業員数が51名以上の事業所であれば、パート・アルバイトも含めて全ての従業員が社会保険への加入義務を負うことになります。

 

この改正により、社会保険の適用範囲が広がり、より多くの労働者が保険の恩恵を受けることができるようになります。特に、50名以下の会社に勤めている従業員にとっては、以前よりも加入の可能性が高まります。

 

また、この改正には罰則も設けられています。社会保険への加入義務を怠った場合、追徴請求や懲役刑などの罰則が科せられる可能性があります。ですから、労働者としては、改正後の加入義務や罰則についてしっかりと把握しておくことが重要です。

 

具体的な加入手続き方法は、各企業や労働者の所属する労働組合などによって異なる場合があります。しかし、一般的には、雇用契約の際に必要な書類や情報を提出し、社会保険の加入手続きを行うことになります。労働者は雇用主や労働組合の指示に従い、迅速かつ正確に手続きを行うようにしましょう。

 

社会保険についての相談は「サプナ社会保険労務士法人」

「サプナ社会保険労務士法人」は、社会保険についての相談や労務の専門的なサポートを提供しています。中小企業の組織を自律的にアップデートできる環境と仕組みを構築するために、経験豊富な労務コンサルタントとしての役割を果たしています。

 

社会保険の仕組みは複雑であり、一般の人々が全てを理解するのは難しいものです。しかし、サプナ社会保険労務士法人は、その専門知識と経験を活かして、中小企業が社会のニーズに合わせた組織のアップデートを支援しています。

 

もし社会保険に関してわからないことや困りごとがある場合、サプナ社会保険労務士法人にご相談ください。丁寧にヒアリングを行い、個別の状況に合わせた助言や解決策を提供いたします。

 

社会保険に関する相談や労務のサポートを必要とする場合、サプナ社会保険労務士法人は信頼できるパートナーです。経験と専門知識により、中小企業の組織のアップデートをサポートいたします。お気軽に相談してください。

 

社会保険加入のメリット・デメリット

ここからは社会保険加入のメリットとデメリットについて紹介していきます。

 

メリット

社会保険に加入するメリットは病気や老齢になって給与がもらえなくなった場合でも、給付金や年金が支給されることがある点。これにより、生活を安定させることができます。

 

また、社会保険料は所得から控除されるため、納付する所得税や住民税が減るメリットもあります。

 

さらに、社会保険に加入していると、勤務時間や年収の上限を気にせずに働くことができます。これにより、自分の能力や意欲に応じて働くことができます。以上のようなメリットがあるため、社会保険に加入することはおすすめです。

 

デメリット

社会保険に加入することにはいくつかのデメリットがあり、社会保険料が毎月の給与から天引きされるため、手取り額が額面よりも少なくなることがあります。

 

また、配偶者の家族手当が停止される場合もあります。さらに、パートやアルバイトの場合、加入条件を満たさないと加入できないため、自由な働き方が制限されることもあるでしょう。

 

そもそも「社会保険」とは?

社会保険とは、私たちの生活を保障するための公的な保険制度です。病気やケガ、老後の資金不足、失業などのリスクに備えることができます。

 

社会保険は、医療保険、年金保険、介護保険、雇用保険、労災保険の5つの種類から成り立っています。勤務先で加入する健康保険と厚生年金も社会保険の一部です。

 

社会保険の目的は、相互扶助です。多くの人が保険料を支払い、必要な時に保障を受けることができます。社会保険は、国民の安心と安定を守るために重要な制度です。

 

まとめ

社会保険は、正社員のみ加入すればよいものではなく、パートやアルバイトも条件を満たすのであれば加入させる必要があります。

 

また、2022年10月、2024年10月の法改正では、今まで加入が必要なかった従業員を社会保険に加入させる必要が出てきます。

 

未加入のままの場合、罰則が設けられているため、従業員一人ひとりの雇用状況を把握して適切な社会保険の手続きをしましょう。

 


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