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子の看護休暇とは【社労士監修】取得条件や給与、法律上の権利、企業側が取るべき対応を紹介

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子の看護休暇とは【社労士監修】取得条件や給与、法律上の権利、企業側が取るべき対応を紹介

子の看護休暇とは【社労士監修】取得条件や給与、法律上の権利、企業側が取るべき対応を紹介

2025/03/02

男性・正社員1,500名、女性・正社員1,000名と非正社員(パート、アルバイト、契約社員、派遣社員)1,000名を対象にした、厚生労働省による「平成27年度 仕事と家庭の両立に関する実態把握のための調査」では、男性10.9%、女性正社員29.3%、女性非正社員17.5%が利用経験があるという回答が得られています。

 

対する子の看護休暇を利用しない理由として、「女性・非正社員」では「制度があることを知らなかった」が3割超となっていました。

 

この記事では、子の看護休暇について概要や申請方法、注意点などについて詳しく解説していきます。看護休暇の内容に疑問がある事業主の方やこれから制度を進めていきたい方はぜひ参考にしてみてください。

 

看護休暇とは

「子の看護休暇」とは、小学校就学前の子供(法改正により2025年4月より9歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子(小学校第3学年修了前の子))となります。病気や怪我をした際、また予防接種や健康診断受診の際に、親である従業員が取得できる休暇のことです。

 

育児と仕事の両立を支援するために設けられました。(法改正により2025年4月より感染症に伴う学級閉鎖等、入園(入学)式及び卒園式が取得事由に追加されます。)

 

子の看護休暇は労働基準法や育児・介護休業法をもとに作られており、一般的な休暇・欠勤や介護休暇とは以下の違いがあります。

 

「休暇」「欠勤」の違い

子の看護休暇は育児・介護休業法に基づいた法定の権利で、企業は従業員が子の看護休暇の取得を希望した場合、拒否できません。

 

一方、休暇、欠勤は法令ではなく会社の規定や就業規則に基づくものです。企業の就業規則に従うことになり、企業が取得の理由が不当と判断した場合は拒否することが可能な点が子の看護休暇と異なります。

 

「介護休暇」との違いは?

子の看護休暇と介護休暇は対象となる家族や取得目的が異なります。

 

 

対象となる家族

取得する目的

看護休暇

小学校就学前の子供 

※法改正により2025年4月より9歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子(小学校第3学年修了前の子)となります。

子供の病気や怪我の看護、健康診断や予防接種

法改正により2025年4月より

感染症に伴う学級閉鎖等、入園(入学)式及び卒園式が取得事由に追加されます。)

介護休暇

要介護状態にある配偶者・親・子供・兄弟姉妹など

家族の介護

 

看護休暇の対象者

小学校就学前の子供を持つ従業員が対象となり、日雇い労働者を除く正社員・契約社員・パート・正社員・非正社員の雇用形態に関わらず取得ができます。小学生以上の子どもの看護については、特別な休暇制度は法的に規定されていません。

 

対象外になる労働者は?

日雇い労働者は、子の看護休暇の対象外となります。

 

労使協定を結んでいる場合、対象外となる労働者

・勤続期間が6ヶ月未満の労働者

 ※法改正により2025年4月より勤続期間が6ヶ月未満の労働者は労使協定で対象外と出来なくなります。

・1週間あたりの所定労働日数が2日以下の労働者

・1時間単位で取得する子の看護休暇については労使協定を結ぶことによって業務の性質または実施体制に照らして、1時間単位で子の看護休暇を取得することが困難な業務に就く従業員を対象外とできます。

 

看護休暇の取得条件

ここでは子の看護休暇の具体的な取得条件について解説します。

 

取得期間

1年間に5日間、子供が2人以上の場合は10日間まで取得できます。法で定められた休暇制度のため取得実績の無い会社であっても、申請すれば取得が可能です。

 

給与・支給額

看護休暇の給与については法律では定められておらず、企業ごとに異なります。有給・無給のいずれでも法的には問題ありません。

 

 

看護休暇の法律・権利

ここでは子の看護休暇に関わる法律や従業員、企業の権利・義務について解説します。

 

労働基準法 第89条

常時10人以上の労働者を使用する事業場に対して、就業規則の作成と行政官庁への届出が義務づけられており、記載事項として「休日」が含まれています。子の看護休暇も休日となるため、就業規則への記載が必要です。

 

育児・介護休業法 第4章

従業員の看護休暇取得の権利や事業主の義務などについて明記されています。

 

【企業側】雇用主の対応義務

雇用主は従業員から看護休暇取得の申し出があった場合、1日単位または中抜けなしの時間単位で認める義務があります。

 

看護休暇の申請方法

ここでは、子の看護休暇の申請に必要な書類やプロセスを解説します。

 

申請に必要な書類

子の看護休暇の申請に必要な書類は原則としてありません。ただし下記の事項を会社に申し出る必要があります。

 

【申し出が必要な事項】

・従業員名

・子供の氏名、生年月日

・看護休暇を取得する年月日(時間単位の場合は時間)

・子供が怪我をしたり、疾病にかかっている事実、または予防接種や健康診断を受ける事実

 

申請期限

看護休暇の申請期限は特に設けられていません。緊急の場合は、当日の申請でも取得が可能です。

 

申請する際の手順

子の看護休暇を申請する際は、上記の「申し出が必要な事項」を会社に申し出ることで取得できます。

 

看護休暇制度の注意点

看護休暇制度を利用する際には、いくつかの重要な注意点があります。これらの点を把握しておくことで、制度を適切に活用し労使間のトラブルを防ぐことができます。

 

取得の単位

取得単位は当初1日または半日単位のみでしたが、2021年の法改正により1時間単位(中抜けなし)での取得が可能となっています。希望する場合、半休や時間休で申請し制度を有効に活用しましょう。

 

取得中の給与

取得中の給与について、法令上の取り決めはなく各企業に一任されています。そのため、取得の際はあらかじめ会社に取得中の給与の扱いについて確認しておく必要があります。

 

【企業側】看護休暇に対して取るべき対応

従業員が看護休暇制度を利用しやすいものにし、企業にとっても円滑に運用できるようにするため、以下のような対応を取ることが重要です。

 

制度の周知

制度の概要や取得条件、取得可能日数などを従業員に社内通達やイントラネットなどを通じて周知し、制度理解を図り利用しやすい環境整備を行いましょう。

 

社内の支援体制の整備

看護休暇によって業務に影響が出ないよう、あらかじめ業務マニュアルを作成、共有したり、代替要員を用意するなど、取得に向けて社内の支援体制の整備を行いましょう。

 

【企業側】子の看護休暇に対する注意点

 

時季変更権の対象外となる

従業員が有給休暇を取得する際、社内業務に不利益が生じる恐れがある場合、会社が取得時季を変更できる権利として「時季変更権」があります。子の看護休暇は、この時季変更権行使の対象外となることに注意が必要です。

 

看護休暇子の看護休暇

子の看護休暇を含め休日について就業規則に明記することが法律で義務付けられています。スムーズに運用するためにも、必ず就業規則に記載するように注意しましょう。

 

看護休暇のよくある質問

ここからは、子の看護休暇についてよくある質問とその回答を紹介いたします。

 

看護休暇の取得を拒否することは出来ますか?

育児・介護休業法では、従業員が子の看護休暇を申請した場合、会社はこれを拒否することができないと定められており、正当な理由なく取得を拒否することは法律違反となります。労使協定で対象外とした労働者以外は取得を拒むことが出来ません

 

2025年4月の法改正により、子の看護休暇も変更が予定されています。

 

 

パートやアルバイトでも子の看護休暇の取得は可能?

小学校就学前の子供を持つ従業員が制度の対象となります。正社員、契約社員、パートなど正社員、非正社員の雇用形態に関わらず取得ができます。

 

まとめ

子の看護休暇についての企業の取り組みや方針は、従業員のワークライフバランスを支援する上で非常に重要です。

 

少子化が懸念される現代、子育てしやすい環境を整え、従業員の子供を持つことへの不安を軽減する取組は、労働力の定着率を向上させ、企業の持続可能な成長にもつながります。

 

この記事を参考に、子の看護休暇の社内理解と活用を推進していきましょう。

 

参考:

e-Gov法令検索サービス.”労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)”,

 

e-Gov法令検索サービス.”育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)”,


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