育児休業期間中の社会保険料はどうなる?
2022/04/12
2022年4月1日から段階的に施行される育児・介護休業法ですが、取得しやすい環境整備を会社が整えたとしても、育児休業期間中は従業員からの労務の提供がないこと、ノーワークノーペイの原則に合わせて多くの会社では給与を支給しません。収入が減るのが心配で育児休業等の取得をためらってしまうようでは取得率の向上は期待出来なくなってしまいます。
そこで育児休業、出生時育児休業(産後パパ育休)には社会保険料が免除されたり、雇用保険から給付金がしきゅうされたりと様々な経済的支援があります。
育児休業中の社会保険料の免除
育児休業期間中は要件を満たせば、社会保険料が被保険者本人負担分及び事業主負担分ともに免除されます。
1.その月の末日が育児休業期間中である場合
2.2022年10月以降は
・1に加えて、同一月内で育児休業を取得開始または終了し、その日数が14日以上の場合、新たに保険料
免除対象とする
・ただし賞与に係る保険料については連続して1ヶ月を超える育児休業を取得した場合に限り免除
免除されたときであっても、被保険者としての資格はきちんと続いているため、健康保険からの給付は免除前と同様に受けることができ、将来受給できる年金額は厚生年金保険料を納付したものとして扱われます。
雇用保険から育児休業給付を受けることが出来る
出生時育児休業を含む育児休業を取得し、受給資格を満たしていれば、原則として休業開始時の賃金の67%
(180日経過後は50%)の育児休業給付を受けることが出来ます。
従業員が安心して育児に専念できるように、会社側はこのような制度があることを周知させなくてはいけません。また育児休業を理由とする不利益な取り扱いやハラスメントは厳しく制限されなくてはなりません。
ハラスメントの禁止
育児休業等の申し出、取得を理由に、会社側が解雇や退職強要、正社員からパートへの契約変更等の不利益な取り扱いを行うことは禁止されています。また今回の改正で妊娠、出産の申し出をしたこと、産後パパ育休の申し出、取得、産後パパ育休期間中の就業を申し出、同意しな かったこと等を理由とする不利益な取り扱いも禁止されます。また、会社側には、上司や同僚からのハラスメントを防止する措置を講じることが義務付けられています。
2023年4月1日からは育児休業の取得状況の公表が義務化
2023年4月1日からは企業の育児休業の取得状況の公表が義務化されます。対象となる企業は、従業員1,000万人を超える企業です。これらの企業は年1回公表が義務付けられます。
具体的に以下のいずれかを公表する必要があります。インターネットなどを通じて、適切な方法で、一般の方が閲覧できるように公表します。
・育児休業等の取得割合
・育児休業等と育児目的休暇の取得割合
段階を踏んで施行される今回の改正育児・介護休業法。育児休業がより取得しやすくなることが今回の改正のポイントです。よりよい組織づくりをするうえで、今回の改正がスムーズに行われるように取り組みましょう。
改正育児・介護休業法の詳しいことは厚生労働省ホームページに掲載されています。社内様式の例など参考にしてみたらいかがでしょうか。