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カスハラとクレームの違い・判断基準は?どう対応すべき?企業が取るべき対策などを紹介!

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カスハラとクレームの違い・判断基準は?どう対応すべき?企業が取るべき対策などを紹介!

カスハラとクレームの違い・判断基準は?どう対応すべき?企業が取るべき対策などを紹介!

2025/06/02

近年、社会問題として注目されているカスハラ。カスハラとは顧客等からの過度または不当な言動を指す用語として用いられます。

 

人と組織に関する調査・研究、コンサルティング等を手がける株式会社パーソル総合研究所が2024年に全国のサービス職20~69歳男女を対象に行った調査では、35.5%が過去にカスハラ被害を受けた経験があると回答しています。また、カスハラ被害後の会社側の対応について「嫌がらせの被害を認知していたが、何も対応はなかった」という回答が36.3%で最も高い結果となっています。

 

カスハラは従業員の負担を増大させ、職場環境の悪化や人材流出の要因の一つとなります。

 

この記事では、カスハラやクレームの概要、二つの違い、対策方法等について解説していきます。

 

カスハラとは

カスハラ(カスタマーハラスメント)とは、顧客などが企業や従業員に対して行う、社会常識から外れた不当な言動や要求を指す言葉のこと。

 

たとえば、脅迫や暴言、過剰なクレーム、長時間の説教、土下座の強要、SNSでの執拗な誹謗中傷などが挙げられます。こうした行為は、従業員に大きな精神的負担を与え、職場環境の悪化や人材流出の原因にもなりかねません。

 

近年では、パワハラやセクハラと並ぶ深刻なハラスメント問題として、社会的な関心が高まっており、厚生労働省も2022年に「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を発表。企業が従業員を守るための対策を講じる必要性を示しています。

 

社内でのルール整備や研修の実施、相談窓口の設置など、組織的な備えが求められる時代になっているのです。

 

クレームとは

クレームとは、商品やサービスに対して顧客が感じた不具合や不満を、企業に伝える行為です。

たとえば、商品に不良があった、対応が不適切だった、サービス内容に納得できなかったといった場合に、意見や要望として申し出ることを指します。

 

クレームは、顧客の声として受け止め、サービス改善につなげる大切な機会にもなります。

 

カスハラとクレームに違いは?

クレームは、事実に基づく顧客の正当な不満や要望であり、場合によっては企業にとってサービス向上の機会にもなるものです。

一方カスハラは、脅迫や侮辱、名誉毀損、過剰な要求などの不当な言動を含むもので、従業員の心身や職場環境に深刻な影響を及ぼすケースが多くあります。

 

なぜ違いが重要になるの?

カスハラとクレームを正しく区別することは、顧客の声を商品やサービスの改善のために生かすことや、嫌がらせや迷惑行為から従業員を守ることにつながります。企業がクレームには丁寧に、カスハラには適切で毅然とした対応する姿勢で接するためには二つをはっきりと区別することが重要です。

 

カスハラとクレームの各問題点

カスハラとクレームは、いずれも企業にとって重要な対応課題です。

性質や対応方針が異なるため、それぞれの問題点を正しく理解することが、従業員を守りながら企業価値を維持するうえで欠かせません。

 

カスハラの問題点

カスハラは、従業員への負担が大きく、職場全体に深刻な影響を及ぼす恐れがあります。

 

問題となる主な例:

・従業員にストレスを与え、心身の不調を引き起こす

・モチベーションの低下や離職の原因になる

・職場の雰囲気やチームの連携が悪化する

・対応に時間が取られ、業務効率が下がる

・過剰対応による他の顧客離れや風評リスクを招く

 

クレームの問題点

・放置する等、適切な対応を怠ると、顧客満足度が下がりリピート率の低下や悪評が広まる恐れがある

・クレーム対応を誤ると、SNS等で拡散され企業イメージの低下や経営リスクに発展する可能性がある

・クレーム対応にかかる多大な労力・時間の負担により、従業員のストレスや健康不良、パフォーマンス低下を招くことがある

 

カスハラとクレームの判断基準

カスハラとクレームの判断基準は主に以下の2点です。

 

内容の妥当性

クレームは商品やサービスに対する具体的で合理的な不満や改善要求で、企業のサービス向上に役立ちます。カスハラは、合理的な目的がなく、不当な言いがかりや嫌がらせが含まれます。

 

手段の適切さ

クレームは適切な言葉使いで冷静に社会的ルールにのっとり伝えられますが、カスハラは暴言、暴力、脅迫、長時間の説教、土下座要求など社会的に不相当な言動を伴います。

 

【具体例で比較】カスハラとクレームの違い

以下にカスハラとクレームについて具体例をあげて比較します。

 

クレームの例

例1 )スーパーで購入した商品の賞味期限が切れていたため、サービスカウンターに商品とレシートを持参し、冷静に事実を伝えた。

例2 )ネット注文した商品が届き、開封したところ一部が欠損していたため、カスタマー相談窓口に電話し冷静に事実を伝え、代替品の発送を希望した。あわせて、欠損した商品の写真を撮影し、メールで送付した。

 

カスハラの例

例1 )通販会社の窓口に電話し、暴言や威迫的な言動を繰り返し、無言電話を100回以上かけた。

例2 )アパレル店で、商品の不備を理由に店員を土下座させた。

例3 )運送会社の配達員に、配達時間が若干遅れたことを理由に真夏の炎天下で長時間説教をした。

 

違いの境界が曖昧なケースはある?

カスハラとクレームの違いが曖昧になるケースは、以下のようなものがあります。

 

・顧客の不満や要求が一見正当な商品サービスの改善要望に見えるが、対応を超えて過剰な謝罪や補償を執拗に求める場合

・クレームの内容自体は具体的だが、言葉遣いや態度が暴言や威圧的で、従業員の尊厳を傷つける言動を含む場合

・顧客の要求が合理的かどうかが社会通念上判断しにくく、正当な要求か理不尽な嫌がらせか境界が曖昧なケース

 

カスハラ対策の基本

カスハラは対策をしっかり行うことで被害の軽減と従業員の精神的安全の確保をはかることができます。以下に対策の基本を解説します。

 

初期対応のポイント

カスハラの初期対応のポイントは以下の通りです。

 

・複数名で対応する

一人で対応せず、可能なら複数人で対応し、従業員の安全を確保します。

 

・冷静に落ち着いて対応する

感情的にならず、丁寧な言葉遣いで相手の話を一通り最後まで聞きます。

 

・事実関係を整理し記録する

時系列で事実関係を整理し、現場責任者や相談窓口に速やかに共有します。

 

・不用意な謝罪は行わず冷却期間を設ける

事実確認が不十分な段階で全面的な非を認める発言や謝罪は避け、必要に応じて「調査して改めて回答する」と伝え冷却期間を設けます。

 

組織的な対策手段

カスハラへの対策は、現場任せにせず、企業全体で組織的に取り組むことが重要です。経営層による方針の明確化をはじめ、マニュアルの整備、相談体制の構築、証拠の管理、顧客への啓発など、幅広い対策が求められます。

 

以下は、企業が実施すべき主な対策例です。

・方針の明確化と社内共有

・マニュアル整備と定期研修の実施

・相談窓口・支援体制の整備

・証拠の収集・記録体制の構築

・顧客への方針周知と注意喚起

・発生時の迅速対応と社内外連携

 

クレーム対策の基本を紹介!

クレームは対応や対策方法により商品・サービスの向上と顧客満足につなげる機会となります。以下にクレーム対策の基本を紹介します。

 

顧客満足に繋げる対応策

クレームが発生した際には、まず迅速に対応することが重要です。素早い対応により、顧客に対して真摯な姿勢を示すことができ、信頼の獲得につながります。

 

また、顧客の話を最後まで丁寧に傾聴し、共感を示すことで、安心感を与えるとともに、良好な関係性の構築に役立ちます。そのうえで、クレームの内容に対して誠実に謝罪し、指摘してくれたことへの感謝の気持ちを伝えることが、顧客の心情に寄り添う姿勢として重要です。

 

対応後も、クレーム内容を速やかに改善し、必要に応じてフォローアップを行うことで、顧客満足度を高めるとともに、再発防止に向けた取り組みを進め、長期的な信頼関係の構築を目指します。

 

【企業向け】社内の対応体制の作り方

クレームやカスハラに適切に対応するためには、企業として明確な方針と社内体制の整備が欠かせません。

まず、経営層が「カスハラは許さない」という方針を打ち出し、社内外に周知することが重要です。次に、対応マニュアルを作成し、手順や事例を社内で共有することで、対応のばらつきを防ぎます。

また、過去の事例を記録・共有する体制を整え、定期的な研修を通じて対応力の向上と再発防止を図りましょう。

加えて、従業員が安心して相談できる窓口や、対応者を支えるサポート体制も整備することが大切です。

 

マニュアルを作成する際のポイント

マニュアルを作成する際は、誰もが迷わず対応できるよう、具体性と実用性を重視することが重要です。

判断基準や対応の流れを明確にし、実際の事例を反映させることで、現場での活用度が高まります。

また、マニュアルは作って終わりではなく、社内に定着させる取り組みも不可欠です。

 

カスハラ・クレーム対応マニュアル作成のポイントは以下の通りです。

 

・判断基準を明確に示す

・実際の対応事例を盛り込む

・対応手順をフローチャート化する

・定期的な研修で運用を浸透させる

 

教育・研修の内容や頻度について

教育・研修では、正当なクレームとカスハラの違いや判断基準を理解し、具体例を通じて見極める力を養うことが重要です。あわせて、傾聴力やロジカルシンキングといった対応スキル、ストレス管理の方法、企業の方針やマニュアルの活用方法、相談窓口の役割なども学び、実務に活かせる内容とします。

 

これらの研修は、少なくとも年に1回は実施し、従業員のスキル向上と意識の継続的な強化を図ることが望ましいでしょう。

 

労務リスクへの備えについて

労務リスクへの備えとして、企業が取り組むべき基本的な対策は以下の通りです。

 

企業として「カスハラを許さない」基本方針を策定し、社内外に周知・啓発すること

 

・従業員の相談窓口を整備すること

・対応マニュアルを作成、整備すること

・従業員への定期的な研修を実施すること

・証拠と記録保存のシステムを整備すること

・雇用慣行賠償責任保険などの保険も検討し、万が一の損害賠償リスクに備えること

 

カスハラやクレームに関するよくある質問

ここからはカスハラやクレームに関するよくある質問とその回答を紹介します。

 

Q.カスハラだと感じたらどうすればいい?

一人で抱え込まず、速やかに信頼できる相談窓口や上司に相談し、複数人で対応するようにします。冷静に感情的にならず対応し、記録や証拠を残すようにします。

 

マニュアルや方針を確認し、適切な流れで対応するようにします。

 

Q.警察へは通報すべき?

状況によりますが、暴言がエスカレートして身体的な暴力や業務妨害、脅迫や業務妨害等が認められる場合には、警察への相談や通報を検討します。犯罪かどうか判断がつかない場合は、警察相談専用電話「#9110」に相談しましょう。

 

Q.クレームでも辛いと感じたらどうすればいい?

クレーム対応で辛いと感じたら、まずは一人で抱え込まず、信頼できる上司や相談窓口に早めに相談しましょう。必要に応じてメンタルヘルスケアやカウンセリングも検討しましょう。

 

Q.録音や記録はすべき?

カスハラやクレーム対応において、録音や記録は非常に重要です。特に暴言や脅迫的な言動があった場合、後の法的措置や社内対応の証拠として活用できます。

 

まとめ

カスハラやクレームに適切に対応することは、商品サービスの質の向上や業務への悪影響を最小限に抑えることにつながります。また、カスハラ対策をしっかり行う企業は従業員のモチベーションを高め、さらに従業員を大切にする企業として企業イメージの向上や優秀な人材獲得にもつながります。

 

この記事を参考に、カスハラとクレームへの適切な対策を行いましょう。

 

 

参考:

株式会社パーソル総合研究所.”カスタマーハラスメントに関する定量調査”,

 

 


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