入社前研修おすすめの形式・内容11選!目的や成功させるポイント、事例を参考にしよう!
2025/02/17
入社前研修は、内定者が入社後に業務や職場に円滑に適応できるよう実施されるものです。企業の価値観や業務の進め方を入社前に知ることで、内定者が入社後にスムーズに業務に移行できるようにサポートします。
また、入社前に企業文化や業務内容を深く知ることで、内定者が入社後に直面するギャップを軽減し、ミスマッチによる早期離職を防ぐ効果が期待されています。
入社前研修を効果的に行うためのおすすめの形式やカリキュラムについて、この記事で詳しく解説します。
入社前研修の実施を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
入社前研修の目的は?
入社前研修は以下の2点を目的として実施されます。
・企業文化や業務内容、ビジネスマナー、コミュニケーション技術を提供することで、内定者が入社後の業務を効率的に遂行し、早期に職場に馴染むため
・入社後のミスマッチを防ぎ、早期離職を防止するため
入社前研修のおすすめ形式6選
ここからは、効率よく実践的な研修を行うためのおすすめの形式を6つ解説します。
集合型研修
集合型研修は、一ヶ所に内定者を集め、講義やディスカッション、グループワークなどを行うものです。この形式では複数の内定者が同時に研修を受けるため、効率よく実施できるとともに、内定者同士のコミュニケーションを促進できます。
オンライン研修
オンライン研修は、インターネットを活用し効率的かつ柔軟に実施できる研修形式です。オンライン研修のメリットは、内定者が時間と場所にとらわれず実施でき、個々のペースで進めることができる点です。
企業理念や基本的な業務フロー、ビジネスマナーといった内容はオンライン研修で効率よく学ぶことができます。オンライン研修は、実施する企業側はコスト削減と効率化を実現でき、内定者には柔軟な学習環境を提供できる優れた形式です。
オンラインとオフラインどっちがいい?
オンライン研修には対面でのコミュニケーションが制限されることや、内定者によっては集中力の持続が難しいといったデメリットが考えられます。
オフライン研修では直接的な対話や関係構築が可能で、内定者が企業文化を肌で感じることができますが、実施には場所や時間の制約があり、コストが増加する場合もあります。
以下に紹介するハイブリット研修はオンラインとオフラインの良い所を組み合わせることができます。
ハイブリッド研修
ハイブリッド研修は、オンライン研修とオフライン研修を組み合わせて行う形式です。効率的に知識を学びながら、実践的なスキルやチームワークを培うことができます。
企業の理念や業界知識、基本的なビジネスマナーや業務の流れなどをオンライン形式で実施し、オンライン形式のグループワークやロールプレイング、ケーススタディを通じて、実務に必要なスキルを実践的に学びます。オンラインとオフラインを組み合わせることで、効率よく、かつ実践的な研修が可能となります。
オンラインで内定者同士のコミュニケーションの機会も得られるため、ネットワークの構築にも役立ちます。
ワークショップ形式
ワークショップ形式の研修は講義形式とは異なり、グループでのディスカッションや業務シミュレーションをメインに行い、内定者同士のコミュニケーションを深めながら進めていきます。内定者が課題に主体的に取り組める内容となっており、実践的な問題解決能力を養い、コミュニケーション能力を高める効果が期待できます。
OJT
OJT(オンザジョブトレーニング)は、日々の実務を通して業務に必要なスキルや知識を身につける研修方法です。実際の業務環境で行うため、業務に即した内容の課題や問題に対する解決能力が高まります。
OJT研修は内定者が企業の即戦力として活躍していく上で、効果の高い研修方法です。
eラーニング
eラーニングは、内定者各々がインターネットを活用し、オンライン形式で行う研修方法です。自身のパソコンを使い、時間や場所にとらわれず自分のペースで学習できます。企業側はコストが抑えられ、かつ進捗管理がしやすい点もメリットです。
入社前研修のおすすめ内容6選
せっかく入社前研修を実施しても、研修で何するのかによって効果に大きな違いがあります。以下に入社前研修で実施したいおすすめの内容6選を紹介します。
業界理解を深める研修
内定者が新たな職場で戸惑わずに働き始められるよう、自社の所属業界の基本的な構造や固有の知識、最新のトレンド、自社製品やサービスについての理解、競合分析といった内容を研修で学ぶことが大変効果的です。
業界理解が深まることで、内定者は自分の業務がどのように会社全体、しいては業界全体に影響を与えるのかを理解し、業務に対する戦略的な視点を持つことができるようになります。
これにより、早期に業務に貢献できる人材として成長する土台が作られます。
ビジネスマナー研修
基本的なビジネスマナーを研修で学ぶことで、内定者は社会人としての基本的な振る舞いやコミュニケーションスキルを身につけることができます。
挨拶や敬語の使い方、身だしなみ、名刺交換や電話・来客応対、メールや文書の作成方法といった基本的なマナーの研修は、内定者が自信を持って新しい職場で働けるサポートになります。
コミュニケーション研修
コミュニケーション研修は、内定者が新しい職場で円滑な人間関係を築き、業務を効率的に進めるためにとても重要なカリキュラムです。効率よく正確に情報を伝える技術や、コミュニケーションの基本となる報告・連絡・相談(ホウレンソウ)といったものを学びます。
内定者は組織に欠かせないコミュニケーションの大切さやチームワークについて研修で学び、入社後も不安なく人間関係を構築することができます。
ITスキル研修
TIスキル研修では、Windows、MacOSといったOS操作やメールの作成方法、データ管理やセキュリティについての基礎知識などの内容を実施します。入社前に基本的なITスキルを身につけることで、内定者は入社後、即戦力としての活躍が期待できるようになります。
ケーススタディ研修
ケーススタディ研修は、一般的に、実際に起こったトラブルや課題を元に解決方法をグループで議論する
方法や、ケースの背景や課題を設定し、それに向けた戦略やアクションプランを議論する方法で実施されます。
内定者はケーススタディ研修を通して、実務に近いシチュエーションで問題解決能力やコミュニケーション力を高めることができます。
また、グループで議論するケースが多いため、チームワークの構築や内定者同士のコミュニケーションを深める効果も期待できます。
メンタルヘルス研修
メンタルヘルス研修は、内定者が職場でのストレスや精神的な健康問題に適切に対処できるようサポートするための研修です。この研修を通じて、内定者は自分のメンタルヘルスを理解し、ストレスの理解や対処法、コミュニケーションの技術を身につけることができます。
メンタルヘルスは働きやすさに大きな影響を与えます。内定者研修の段階でメンタルヘルスについて取り上げ、入社後内定者が心身ともに健康に働けるように支援します。
入社前研修を成功させるポイント
入社前研修が効果的に実施でき、参加者にとって有意義なものとなるようにするためのポイントを以下に示します。
・研修のゴールを明確化します。ゴールには達成率を測定できる明確な指標があり、業務内容に直結したものであるように注意します。
また、ゴールの設定はしっかりと内定者と共有します。
・研修が長期間にわたる場合、参加者の状態を見ながら、セッションごとに休憩を挟んだり、適度にアクティビティを取り入れたりして柔軟にスケジューリングを行うことが大切です。
・研修中は内定者に十分なフィードバックを行います。また、研修ののち入社後も定期的に上司や会社との面談の機会を設け、内定者が仕事についての疑問や悩みを相談できる環境作りを行うことも重要です。
入社前研修の成功事例
株式会社サイバーエージェント
入社5〜10年目の活躍社員と新規内定者のコミュニティ「スタートダッシュゼミ」を設定し、コミュニティ内で役員によるキャリア講義やチームワークを構築する宿泊研修などを行っています。
内定者同士が入社前から一緒に何かを創り上げる経験を通して、切磋琢磨できる関係性を築けた、他の内定者との繋がりが、仕事を頑張るモチベーションになったとコミュニティに参加した内定者から高評価を受けています。
三菱商事ロジスティクス株式会社
三菱商事ロジスティクス株式会社では、入社前までに個人で受講する内定者研修制度を設けています(参考:三菱商事ロジスティクス公式サイト)。入社後に必要となる貿易実務、ビジネスマナー、英語といった内容を内定者はオンラインで学ぶことができます。
この制度により、内定者は入社後スムーズに業務に取り組むことが可能となっています。
そもそも「入社前研修」とは
「入社前研修」とは、内定者が正式に入社する前に実施される研修のことを指します。
入社前研修は、企業が新入社員や内定者に対して、会社の理念や文化、業務に必要な基礎的な知識やスキルを提供し、内定者が入社後にスムーズに業務に取り組めるようにサポートします。
企業にとっては、入社前に内定者に対して必要な知識やスキルを提供することで、入社後の早期戦力化を図ることができます。入社前研修は内定者にとっても企業にとっても重要なステップとなります。
企業の採用活動や人材育成において非常に重要な位置を占めています。
まとめ
企業にとって採用や人材育成は営業活動の要となるものです。入社前研修の適切な設計と実施により、内定者が早期に業務に適応し、企業全体の生産性向上や離職率低下につながります。
本記事を参考に、企業に適した研修プログラムを計画・実施し、長期的な成長の基盤を構築してください。
参考
株式会社サイバーエージェント.”内定者向けスタートダッシュ応援プログラム「スタゼミ」とは」”,
三菱商事ロジスティクス株式会社.”ENVIRONMENT 環境を知る”,