【2025年4月施行】育児・介護休業法改正の内容をわかりやすく解説!対象の事業者・労働者は?
2025/09/15
2025年4月1日から、育児・介護休業法の改正が段階的に施行され、企業には新たな義務や対応が求められるようになりました。
子の看護休暇や残業免除の対象拡大、テレワークの導入促進、育児・介護支援制度の環境整備など、多岐にわたる内容が盛り込まれています。さらに、10月1日からは「柔軟な働き方の実現」に向けた追加の改正も予定されています。
本記事では、法改正の背景やポイント、対象となる事業者・労働者の範囲、企業が今すぐ対応すべき点をわかりやすく解説します。
2025年4月1日から「育児・介護休業法の改正」段階的に施行
2025年4月1日から「育児・介護休業法」の改正が段階的に施行されています。育児・介護休業法の今回の改正では、柔軟な働き方を実現するための措置の拡充や両立支援制度の強化など、性別を問わず、様々な労働者が仕事と育児・介護を両立できるよう省令が見直されているのが特徴です。
今回の法改正では、労働者の育児・介護との両立支援を強化するため、企業に対する義務規定が追加・拡充されています。
義務の内容は、対象労働者の有無や企業の規模によって異なりますので、自社に必要な対応を把握しておくことが大切です。
2025年4月施行「育児・介護等休業法」は誰が対象?
今回の法改正では、以下のような労働者に関連する見直しが行われています。
・小学校就学前の子を養育する労働者
・小学校3年生修了までの子を養育する労働者
・介護を必要とする家族を持つ労働者
・従業員数300人を超える企業の事業主
幅広い労働者が対象となるため、育児・介護休業法への対応は、全ての企業にとって把握・確認が必要な内容といえます。
4月から変わる!育児・介護休業法の内容について
この章では、2025年4月から順次施行されている主な改正内容について紹介します。
【義務】子の看護休暇が見直された
子の看護休暇の対象や取得事由などが拡大し、より多くの労働者が休暇を取得しやすくなっています。事業主には、就業規則の規定の変更などの対応が求められます。
対象は小学校3年生修了まで拡大
もともと、子の看護休暇の取得対象となる子は「小学校就学の始期に達するまで」とされていました。改正法では「小学校3年生修了まで」に拡大されます。
入園式・卒園式や学級閉鎖などでも取得可能
これまでは「病気・けが」「予防接種・健康診断」のとき以外は、看護休暇を取得することができませんでした。改正法では「入園式・卒園式」や「学校や保育所の感染症に伴う学級閉鎖等」などの際にも、休暇を取得できるようになります。
※会社側の就業規則改定や実務運用が整っていないと取得できない可能性があります。
除外されていた「勤続6ヵ月未満」を撤廃
従来は、労使協定の締結によって、事業主は「継続雇用期間6か月未満」の労働者に対して子の看護休暇の適用を除外することが可能でした。改正法では、この要件が撤廃されています。
「子の看護等休暇」に名称が変更
看護休暇が活用できるシーンが拡大したこともあり、本休暇の名称が「子の看護休暇」から「子の看護等休暇」に変更となっています。
【義務】残業免除の対象が拡大する
所定外労働の制限、いわゆる残業免除の対象となる労働者の範囲が拡大しています。事業主には、就業規則の規定の変更などの対応が求められます。
子が「小学校入学前」であれば対象になる
これまで、残業免除の対象者は「3歳未満までの子を養育する労働者」に限定されていました。改正法では、「小学校就学前までの子を養育する労働者」まで対象が拡大しています。
時短勤務制度の代替措置にテレワークが追加
時短勤務制度の代替措置にテレワークが追加されています。
事業主は、3歳未満の子を養育する労働者が育児休業を取得していない場合には、育児のために時短勤務を提供しなければなりません。ただし、時短勤務が困難と認められる業務がある場合、労使協定を締結を締結のうえ、代替措置を講じることが可能となっています。
従来の代替措置は「育児休業に関する制度に準ずる措置」もしくは「始業時刻の変更等」の2種類でした。改正法では、新たな代替措置として「テレワーク」が追加されています。
代替措置としてテレワークを選択する場合には、就業規則の見直しなどが必要となります。
【努力義務】育児のためのテレワークが導入
本改正では、新たに育児のためのテレワーク導入が努力義務化されています。
具体的には、3歳未満の子を養育する労働者が育児休業をしない場合、テレワークを選択できるように措置を講じるよう、事業主に努力義務として課せられています。
あくまで努力義務であるため、利用頻度や対象の職種など、具体的な制度内容については事業主が自由に決めることが可能です。テレワークを導入する場合は、就業規則や社内制度の見直しが必要になる可能性があります。
【義務】育休取得公表義務の適用が拡大する
本改正では、育休取得公表義務の適用範囲が拡大されます。対象となる企業では、男性の「育児休業等の取得率」または「育児休業等と育児目的休暇の取得率」の公表が義務付けられます。これにより、入社を検討している労働者などが、企業の育休の取得状況を参照しやすくなります。
新たに公表義務の対象となる事業主は、あらかじめ厚生労働省のホームページから公表期限や算定方法を把握するなど、公表に向けた準備を進める必要があります。
従業員数300人超の企業も含まれる!
これまで、育休取得公表義務の対象は「従業員数1,000人超の企業」となっていました。改正法では対象範囲が拡大し「従業員数300人超の企業」まで公表が義務付けられています。
介護休暇取得の条件が緩和される
今回の改正で、介護休暇を取得できる労働者に関する要件が緩和されています。
これまで、事業主が労使協定を締結している場合、「継続雇用期間6か月未満」の労働者に対して介護休暇の適用を除外することが可能でした。改正法では、この要件が撤廃されています。
本件に関する労使協定を締結している事業主については、就業規則等の見直しなどが必要です。
【義務】介護離職防止の環境整備が義務化!
本改正で、事業主には、介護離職防止のための雇用環境整備が義務づけられています。具体的には、以下のうちいずれかの措置を講じることが必要です。
・介護休業・介護両立支援制度等に関する研修の実施
・介護休業・介護両立支援制度等に関する相談体制の整備
・自社の労働者の介護休業取得・介護両立支援制度等の利用の事例の収集・提供
・自社の労働者へ介護休業・介護両立支援制度等の利用促進に関する方針の周知
これにより、労働者が介護休業や支援制度などに関する情報を集めやすくなり、スムーズに利用できるようになります。事業主としては、自社で提供する措置を検討の上、実施に向けた準備を進める必要があります。
【義務】介護支援の個別周知と確認を行う
今回の改正では、事業主に介護離職防止のための個別の周知や意向確認などが義務付けられています。
介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認
介護に直面した旨の申出をした労働者に対して、事業主は介護休業制度等に関する事項の周知や、介護休業の取得・介護両立支援制度などの利用の意向確認を個別に行う必要があります。具体的には、以下の事項について周知・確認が必要です。
・介護休業に関する制度・介護両立支援制度などの制度内容
・介護休業・介護両立支援制度などの申出先
・介護休業給付金に関する情報提供
介護に直面する前の早い段階での情報提供
改正法では、労働者が介護に直面する前に、事業主が介護休業制度などに関する情報を提供することも義務化されています。具体的には、40歳頃を目安に「介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認」で説明する事項について情報を提供する必要があります。
【努力義務】介護のためのテレワーク導入が選択可能
本改正では、新たに介護のためのテレワーク導入が努力義務化されています。
具体的には、要介護状態の対象家族を介護する労働者が介護休業を取得しない場合、テレワークを選択できるようにすることが、事業主に努力義務として課せられています。
テレワークを導入する場合は、就業規則や社内制度の見直しが必要になる可能性があります。
「育児・介護休業法」改正前・改正後を比較してみよう!
以下に、育児・介護休業法の改正ポイントを「施行前」「施行後」で比較してまとめています。
自社の制度との違いを確認する際にご活用ください!
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2025年10月1日から改めて「育児・介護休業法」の改正を実施!
この章では、2025年10月1日以降に施行が予定されている改正内容について紹介します。
柔軟な働き方を実現するための措置等
新たに、育児期における柔軟な働き方を実現するための措置の導入が義務化されます。事業主には、就業規則の規定の変更などの対応が必要です。
育児期の柔軟な働き方を実現するための措置
事業主は、「3歳から小学校就学前の子を養育する労働者」に関して、以下の5つの措置の中から、2つ以上の措置を講じる必要があります。なお、事業主が講ずる措置を選択する際には、過半数組合等からの意見聴取の機会を設けることが必要です。
・始業時刻等の変更
・テレワークなど(10日以上/月)
・保育施設の設置運営など
・就業しつつ子を養育することを容易にするための休暇(養育両立支援休暇)の付与(10日以上/年)
・短時間勤務制度
・労働者は、事業主が講じた措置の中から1つを選択して利用することが可能です。
柔軟な働き方を実現するための措置の個別の周知・意向確認
「3歳未満の子を養育する労働者」に対しては、子が3歳になるまでの適切な時期に、「育児期の柔軟な働き方を実現するための措置」に関する事項の周知や制度利用の意向確認を個別に行う必要があります。
仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取・配慮
仕事と育児の両立に関する個別の意向聴取や配慮についても、10月以降に義務となります。
妊娠・出産等の申出時と子が3歳になる前の個別の意向聴取
事業主は、労働者が本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た時と、労働者の子が3歳になるまでの適切な時期に、子や各家庭の事情に応じた仕事と育児の両立に関する事項について、労働者の意向を個別に聴取しなければなりません。具体的には、以下の内容について聴取が必要です。
・勤務時間帯(始業および終業の時刻)
・勤務地(就業の場所)
・両立支援制度などの利用期間
・仕事と育児の両立に資する集合の条件(業務量・労働条件の見直しなど)
聴取した労働者の意向についての配慮
事業主は「妊娠・出産等の申出時と子が3歳になる前の個別の意向聴取」で聴取した意向について、自社の状況に応じて配慮する必要があります。
まとめ
育児・介護休業法の今回の改正では、労働者が仕事と育児・介護を両立しやすくなるよう、事業主に様々な支援や配慮が求められています。
現時点では対象者がいない企業でも、就業規則の見直しや制度の導入に向けた検討・準備が必要です。本記事を参考に、改正法への対応や準備を進めておきましょう。
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