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2023年度の助成金動向はどうなっていく?

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2023年度の助成金動向はどうなっていく?

2023年度の助成金動向はどうなっていく?

2023/02/22

年度末も近づき、来年度に向けての制度改革や法改正が気になってくる時期になりました。助成金についても動向が注目をされていますが、この度各種助成金等についての制度や規定の見直しの対象となる助成金がパブリックコメントとして公表されています。

「生産性要件」から「賃上げ要件」への切替が進む

ここ最近の助成金に関しては一部に「事業所における生産性」を支給要件に組み込んでいたものも多かったのですが、生産性要件の確認などに長い期間が必要となることから、この「生産性要件」を廃止とする見直しが行われる模様です。

生産性要件が廃止となる助成金は以下の通りです。

・65歳超雇用推進助成金

・両立支援等助成金

・キャリアアップ助成金

また生産性要件を「賃上げに係る要件」に切り替えるとする助成金も多くあります。これは企業としての付加価値を向上させ、それを労働者に賃上げとして還元し雇用の安定を図る目的があります。

・人材確保等支援助成金

・人材開発支援助成金

 

その他改正や見直しとなる助成金は以下の通りです。

・労働移動支援助成金

・特定求職者雇用開発助成金

・トライアル雇用助成金

・地域雇用開発助成金

・産業雇用安定助成金

・高年齢労働者処遇改善促進助成金

 

物価の上昇はあっても賃金がなかなか上がらず家計は苦しくなるといった状態が続く中、政府は物価上昇をカバーする賃上げをして景気の底上げをめざしています。2023年度の春闘は賃上げ、ベースアップが焦点にあげられています。そのような状況の中、ユニクロを展開するファーストリテイリング、ゲーム機の任天堂などが賃金アップを日本生命は7%程度、サントリーホールディングスも6%程度の賃上げを発表しています。では中小企業ではどうなのでしょうか。東京商工リサーチによると2023年度の春闘で賃上げを実施予定の企業は80.6%でこれはコロナ前の水準に戻っていることがわかりました。しかし規模別での実施状況は大企業が85.5%に対し中小企業が80.5%となっています。

 

賃上げを実施予定の企業の割合はコロナ前と同様に

 

中小企業で賃上げを実施しない理由については、約6割が「十分に価格転嫁が出来ていない」「原材料価格の高騰」をあげています。中小企業にとっては賃金体系の底上げは容易ではないようです。そこで労働者が働きやすい環境を整えるために助成金を利用するのもひとつの方法です。助成金の財源は企業が負担をしている雇用保険料です。審査は確かに厳しいものでもありますし、準備にも時間がかかります。しかし法律をきちんと守って日々経営をしている企業にこそ行き渡り、上手に運用をされるべきものです。申請にあたり企業の労務管理の方法を見直す機会にもなってくるかもしれません。2023年度の助成金情報に注目して、上手に利用出来そうなものがあったら検討をしてみるのもいいと思います。

 

参考:雇用保険施行規則及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案について(概要)

   東京商工リサーチ「2023年度の賃上げ予定企業 80.6% 「賃上げしない」理由 「価格転嫁できていない」が最多の6割」


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