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【社労士監修】1on1とは?目的や効果、注意点や頻度等の実施方法をわかりやすく解説!

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【社労士監修】1on1とは?目的や効果、注意点や頻度等の実施方法をわかりやすく解説!

【社労士監修】1on1とは?目的や効果、注意点や頻度等の実施方法をわかりやすく解説!

2024/11/19

1on1ミーティングとは、上司と部下が週1回や月1回など定期的に行うマンツーマンの面談です。マネジメント手法として注目の高まる1on1ミーティングは、導入する企業が年々増加しています。

 

コミュニケーションを深めるだけでなく、部下の成長や業務の質を向上させる目的で注目を集めていますが、効果を最大化するためには、正しい目的や頻度を理解し、適切に実施することが重要です。

 

この記事では、その概要や具体的な進め方、注意点などについて詳しく解説していきます。これから導入を検討している企業や、すでに実施しているが効果を実感できていない方に向けて、役立つ情報をお届けします。ぜひ最後までご覧ください!

 

 

1on1ミーティングとは

1on1ミーティングとは、上司と部下が定期的に1対1で行う面談です。業務の進捗報告以外にも、部下のモチベーションアップや成長につながるコミュニケーションの手段として利用されます。

 

1on1ミーティングの目的

1on1ミーティングの目的は、主に以下の5つに分けられます。

 

キャリア開発

部下がどのように成長していくかを一緒に考え、目指す姿に必要なスキルの洗い出しと、向上のために必要なトレーニングについて話し合います。

 

信頼関係の構築

定期的にマンツーマンのミーティングを行うことで、お互いの期待や考え方を共有し、相談しやすい環境を作り信頼関係を深めます。

 

業務の進捗確認

業務の進み具合や問題点、改善が必要な点を相談し合い、業務をスムーズに進めるための情報共有の場とします。

 

業務における課題解決のサポート

部下の業務上の課題について上司がアドバイスを行い、解決策を見つけるためのサポートを行います。

 

エンゲージメントの向上

部下の業務の成果や日常における努力に対して、上司は適切に評価し、感謝やねぎらい、承認の言葉をかけます。これにより、部下のモチベーションを向上させ、会社での業務に対して自発的な貢献意欲を持たせます。

 

キャリアパスの議論

部下は目指すキャリアについて将来のビジョンを上司に共有します。上司は目指す方向に応じた育成プランを立て適切なサポートやアドバイスを行い、部下の長期的な成長へのサポートを行います。

 

 

1on1ミーティングの効果

1on1ミーティングを行うことで、以下の効果が期待できます。

 

個別な成長促進

部下の強みと弱みを上司、部下自身ともに把握しやすくなります。上司は部下に強みを活かせる分野の仕事を任せたり、弱みを克服するためのトレーニングやアドバイスを提供し、個別な成長を促すことができます。

 

コミュニケーションの質向上

複数人で行うミーティングと比較し、1on1ミーティングは部下が自由に意見や悩みを話せるような、リラックスした雰囲気作りがしやすいです。上司が一方的に話すのではなく、双方向での会話が可能となり、上司と部下のコミュニケーションの質を向上させる絶好の機会となります。

 

二者がお互いの意見を理解し合い、信頼関係を築くことで、業務の円滑な進行やチーム全体のパフォーマンスの向上にも繋がります。

 

エンゲージメントの向上

1on1ミーティングでは、会社のビジョンや業務の目的を共有しやすいです。また、上司は部下の業務の成果や日頃の努力を直接ねぎらい、承認できる機会となります。

 

これらを行うことにより、部下の業務へのモチベーションはアップし仕事へのエンゲージメントの向上をはかることができます。

 

早期の問題発見・解決

上司と部下が直接話す機会を設けることで、信頼関係が構築され、部下は問題や不安を気軽に相談できるようになります。上司は現場での課題やプロセスのボトルネックを早めに把握し、問題が大きくなる前に迅速に対応することが可能になります。

 

業績向上

相乗効果により、企業の組織力が高まり生産性がアップします。結果的に業績の向上につながります。

 

キャリア開発のサポート

1on1ミーティングは、部下が将来どうなりたいか、どのように成長していきたいかを自身で整理する良い機会となります。自身では気づきにくい強みや傾向を上司がフィードバックすることで、部下のキャリア開発の可能性が広がります。

 

キャリアアップの方向性を明確にし、上司はアドバイス、必要な知識やトレーニングを提供し、定期的に状況を確認、フォローアップを行います。部下が自分のキャリアについて主体的に考えるきっかけを作り、モチベーションを高めることができます。

 

 

1on1ミーティングの方法

ここからは、1on1ミーティングの具体的な進め方について解説します。

 

ミーティング前準備

ミーティング前に以下の5点を準備します。

 

1.ミーティングの目的を明確にする

業務進捗の報告、キャリア開発など、ミーティングで取り上げたいテーマや目的を明確にしておきます。

 

2.過去のミーティング内容を確認する

過去の1on1ミーティングで話し合った内容や、決めたアクションの進捗を確認します。

 

3.ミーティングで話す内容を整理する

過去のミーティングで取りきめたタスクについて、どの部分を確認したいのか整理しておきます。また、これまでの成果や今後の方向性についても整理しておきます。

 

4.ミーティングで話す内容を整理する

部下は過去のミーティングで取りきめたタスクについて、どの部分を確認したいのか整理しておきます。また、これまでの成果や今後の方向性についても整理しておきます。

上司は最近の部下の成果や努力に対する具体的なフィードバックを準備します。

 

5.データや資料を準備する

ミーティングで話す内容についてのデータや資料を用意します。

 

1on1ミーティングの手順

 

1.会話・質問

部下が話しやすいように、リラックスした雰囲気を作ります。上司は自分の意見を押し付けたり一方通行のコミュニケーションにならないよう、部下の話を聞いたうえでアドバイスを行い質問に回答します。

 

2.フォローアップ

前回のミーティングで取り決めた方向性やアクションについての進捗を確認します。部下の成果や努力を承認しねぎらい、新たに判明した課題について話し合います。

 

3.振り返り・改善案の提案

ミーティングで話し合ったことを振り返り、整理します。次回までに取り組むべきことや方向性を再確認し、上司は必要に応じて改善案を伝えます。

 

 

1on1ミーティングの注意点

1on1ミーティングを行う際に注意したいポイントを紹介します。

 

双方向のコミュニケーションを意識する

上司が一方的に話をするのではなく、二者による双方向のコミュニケーションとなるよう、以下に注意します。

 

・リラックスした話しやすい雰囲気を作る

・上司は部下の話を傾聴する姿勢を意識する

・上司はオープンクエスチョン(はい・いいえで答える質問ではなく、部下の意見を聞く質問)を意識して行う

 

 

アクションにつなげる

話だけで終わるのではなく、業務の向上や部下のキャリア開発のためのアクションにつながるミーティングになるよう心がけましょう。

 

 

フォローアップを行う

取り決めた方向性やアクションについて、継続的に進捗確認を行います。新たに見つかった課題について、二者間で話し合い、一つ一つ解決していきます。

 

 

1on1ミーティングの実践事例

1on1ミーティングの実践事例で代表的なものに、Yahoo!の1on1があります。以下に内容をまとめました。

 

導入のきっかけ

  • 2012年の新体制発足

目的

  • 社員の経験学習を促進すること
  • 社員の才能と情熱を解き放ち成長させること

時間

  • 1週間に1回 30分

得られた効果

  • 上司と部下のコミュニケーション不足の改善
  • 業務効率の向上
  • 部下の個人的成長
  • 生産性向上

取り入れた手法

  • アクティブリスニング(相槌や部下の言葉を繰り返すなど、積極的に話を聞く姿勢)
  • レコグニション(部下を受け入れ、承認する姿勢)

 

1on1ミーティングによくある質問

ここでは1on1ミーティングについて、よくある質問とその回答をご紹介します。

 

どのくらいの実施期間・頻度がベスト?

一般的に週に1回程度、定期的に行うことが効果的とされています。

 

話すべき内容は?

組織や目的により変わりますが、主に下記の内容があげられます。1on1を繰り返し行うことで、上司と部下の信頼関係を深められ、部下のモチベーション向上や個別の成長につながる効果が期待できる内容を取り上げるようにします。

 

・体調やメンタルの状態

・業務上や組織においての問題、改善すべき点

・将来のキャリア

・会社の方針や戦略の共有

・業務の進捗

・軽い話題、雑談

 

割くべき時間は?

1回の1on1ミーティングに30分~1時間程度が効果的とされています。

 

上司にはどんな心構えが必要?

1on1ミーティングをするにあたり、上司の心構え。

 

・先入観を持たず、部下を受け入れ傾聴する姿勢

・承認の態度

・フィードバックとフォローアップを重視する

 

よくある失敗例は?

1on1ミーティングで見られる典型的な失敗例を理解しておくことで、同じミスを避けることができ、より効果的なミーティングを実施することができます。以下によくある失敗例を紹介します。

 

・上司が一方的に話し、双方向のコミュニケーションが成り立たない

・ただの雑談で終わってしまう

・業務の進捗確認のみで終わってしまう

・話し合ったことがアクションにつながらない

・前回のミーティングのフォローアップがない

 

リモートで行うのも可能?

リモートでの1on1ミーティングももちろん可能です。リモートで行う際は、下記点に留意しながら行うと、より効果的です。

 

・ビデオをオンにし、お互いの表情を確認できる状況で行う

・通信環境の整った静かな場所で行う

・リモートは対面と比べ、会話の内容が記憶に残りにくい側面があるため、メモを取りミーティング後に共有する

 

 

まとめ

1on1ミーティングは、上司と部下の信頼関係を深め、業務の課題解決や、部下のキャリア開発や成長のサポートに役立つ重要なコミュニケーション手段です。

株式会社リクルートマネジメントソリューションズが2022年、主要都市圏企業の人事担当正社員936名を対象に実施した「1on1施策の実施実態」では、約7割の企業が1on1ミーティングを導入していることが明らかになっています。

ぜひこの記事を参考に、より効果的な1on1ミーティングを行いましょう。

 

参考:

本間 浩輔.ヤフーの1 on 1 部下を成長させるコミュニケーション技法.ダイヤモンド社、2017,244p.

 


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